今年の夏は、久々にじっくり休めたレオ・メッシ。
FCバルセロナの2012/13シーズンが7月16日、いよいよスタートしました。約1ヵ月後のリーガ開幕、そしてマドリーとのスーペルコパへと向けた準備の本格的スタート。プレシーズン初日となった昨日はまず、恒例となっている健康診断(メディカルチェック)によって、身長体重や基礎体力のテストであります。今回、初日からの参加となったのはスペイン代表組、五輪招集組を除く14名。なかでも嬉しいのはやはり、じっくりと休みを取れたレオ・メッシが、この夏は最初から最後までグループにいることです。
2009年夏以来のフル参加
我らのギガクラック、レオ・メッシの夏といえば、毎回なんだかの代表合宿に参加をしたりで、まともなプレシーズンなんて送れたもんじゃないというのが現実でした。4年ごとにやってくるムンディアルに参加するために、2006年と2010年のプレシーズンは遅れてのチーム合流。その間の2008年には北京五輪のために早々にチーム離脱。この夏はペップの監督初年度で、クラブとアルゼンチン連盟で相当に揉めたのを覚えています。
さらに2007年と2011年の夏はコパアメリカでツアー出発前の合流となり、2005年はワールドユース。夏に特に予定がなく、プレシーズンにフルに参加できたのは2009年のみとなり、よくもそんなハードな働きっぷりで、ここ数年は大きな怪我もなくやってこれたものだと思います。ペップ前監督就任後の、食事+生活習慣改善の輝かしい成果です。しかしながら、夏に休みを取れるのに越したことはないわけで。フル稼働した2011/12シーズンの後だけに、この夏はレオがのんびり出来たことにホッとするクレ一同です。
「メッシは今年、絶頂期を迎える」
さてそんなレオ・メッシに関して、嬉しい”予言”をしている人物がいます。その名はフェルナンド・シニョリーニ。2010年のムンディアル・ドイツ大会でディエゴ・マラドーナ率いるアルビセレステのフィジコを務め、”ペルーサ”を陰で支えていたとされる人物です。彼は1986年のムンディアル・メキシコ大会でも代表チームのトレーナーとして活躍、ディエゴに個人メニューを準備し、歴史的大活躍へと導いています。
つまりはマラドーナとメッシという両ギガクラックを、フィジコとして鍛えた経歴を持つ唯一のお人。86年当時のディエゴは25歳、そして今年のメッシも25歳となります。そういえばかつて、イチローがアスリートのフィジカル的MAXは25歳だと言っていたように記憶していますが、この25歳はフィジカルと経験のバランスが非常に良くなってくるのでしょう。SPORT紙の記事の中で、シニョリーニさんがこう語っています。
「レオは今年、絶頂期を迎えるだろう。これまでに彼が成してきた偉業とは別に、レオの本当の歴史はこれから記されていくんだ。彼のベストはこれから始まっていくだろう。今日までレオが生み出してきたものは、自然発生的な、天性によるものだった。しかしここからは、彼のフットボルには思慮が付け加えられていく。これからは彼がピッチ上で下す決断は、本能だけに頼るのではなく、知識が加わっていくんだ。それによって彼のフットボルは、新たな段階へと入っていくだろう」
つまりはNEXTレオがこれから登場していくということ。これまでが序章だとしたら、どうなってしまうのかと恐ろしくもあります。シニョリーニさんはまた、この夏メッシが得た休日も、間違いなくプラスに作用するだろうと太鼓判を押しました。
「休養が筋肉の回復時間に良い効果をもたらすのは明らかだ。それに私は、相当量のトキシンを解放できたものと考えている。しかしなによりも一番なのは、彼が競うことなく過ごせた時間の存在なんだ。それによって彼はプレーへの欲求を大いに高めたに違いない。レース直前の馬は、はみを噛ませて小屋に入れておけ、とアルゼンチンでは言うんだ」
メッシにとってやる気刺激材料は、まだあります。「父親になることも、ベストのレオが見れる要素のひとつだ。この出来事は自己を越え、世界最高のパパとなるための動機になるだろう。レオは息子に一番のオモチャを、ボールと多くのゴールをプレゼントしたいと願うさ」。そして。「レオ・メッシのフットボル的頂点がどこにあるのかは分からない。彼がどこまで到達できるのか、それはひとつのミステリーなんだよ」
怪我人たちも続々復帰へ
幾つかの要素によって、メッシが絶頂期を迎えるであろう2012/13シーズンの準備をするにあたり、結果としてダニ・アルベスやダビド・ビジャが五輪なりユーロに間に合わなかったことは、より良いプレシーズンを行うという点においてプラスになるのではないでしょうか。ダニはドクターたちのチェックを受けながらですが、火曜日のトレーニング初日からグループ練習に参加。グアッヘもまた一部をチームメイトたちと一緒に汗を流す予定となっています。フォンタスも火曜日からグループ練習に復帰。残る治療中の選手は、チアゴとクエンカのみとなります。
残るトップチーム選手たちは、まず来週月曜日にカルラス・プジョルがチームへと合流となる見込み。スペイン代表のユーロ王者たちはさらに1週間後、7月30日が仕事再開となります。ロンドン五輪に出場するジョルディ・アルバやテージョ、モントーヤたちは、そちらの任務が終了してからの合流です。
ちなみに今回初日からプレシーズンを開始した14選手は、ダニ・アルベス、ビジャ、アレクシス、メッシ、チアゴ、ピント、マスチェラーノ、アフェライ、アドリアーノ、クエンカ、フォンタス、バルトラ、ドス・サントス、ムニエサ。去就が微妙とされる選手たちも複数名おり、彼らにとっては勝負の夏のスタートであります。ファイト!
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