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どうしてこうなった?

チャンピオンズ敗退から一夜明け、バルサの現状分析が主なテーマに。

ビセンテ・カルデロンでのチャンピオンズ敗退はバルセロニスタに大きなショックを与えました。シーズンの大目標としていたタイトルをもう競えなくなったうえ、負け方も残念だったことがショックに輪をかけました。とはいえバルサにはまだ国内二冠の可能性が残されており、そのどちらも自分たち次第。落胆し終わったら再び顔を上げ、次なる最善を目指して進んでいかなければなりません。欧州戦敗退から一夜明けた金曜、メディアやファンの間では反省会と敗因分析が賑やかになっています。

落胆から分析へ

4月15日のバルサ系スポーツ紙は、おおむね似通った表紙&見出しとなりました。SPORT紙はチームの現状を巡っての15の疑問点を取り上げ、「POR QUE?(何故?)」。MD紙もまた4月に入ってからのいきなりの不調に関して、「急降下の理由」と見出しをつけています。

SPORT紙は15の疑問に対し、編集部の記者さんたちが一問一答する形式を取っています。15個もあるので、そのうちの7つほどを簡単に紹介してみますと、次のような感じです。

バルサはどうしてこの大事な時期にパンクしたの?:チームはフィジカル面で衰えており、精神的にも“衰弱”している。ドブレーテ達成のためにはこれを乗り越えなければならない。

どうしてローテーションは終わったの?:ルイス・エンリケは選手たちのヒエラルキー、あるいはプランBの欠如に手を縛られているように見えた。

どうしてメッシは5試合無得点なの?:アルゼンチン代表でのダメージとパナマ文書騒動。レオは代表戦の後に調子を落とす傾向がある。メッシも人の子。騒動の影響も受けるだろう。

年明け以降のネイマールの不調はどうして?:2016年に入ってからはわずか9得点。メッシ不在時はチームを引っ張っていた。スポーツ外のゴタゴタも影響した印象。成熟の過程。

バルサはどのようにして状況を元に戻せる?:監督、カピタンたち、会長による会議を行うのが適切だろう。彼らが状況を分析し、解決策を探らねばならない。トリデンテをローテーションすべきなら、監督に決定権を。クラブは第4のデランテロ獲得に努力を。

どうして“中ランク”が消えてしまったの?:バルサのようなチームがシーズンを戦い抜くには、チャンス到来に意欲を燃やす“中ランク”の選手たちが不可欠。今のバルサはそういった“中ランク”の選手がいなくなり、チームバランスが悪い。

どうしてアンタッチャブルな選手が多いの?:トリデンテによって勝つことが栄冠への最も信頼の置ける道だった。エンリケは自らの理念から遠ざかった。

幾つもの要因が重なることで現在のこの低調さへと至ったと分かりますが、困った時に戦況を変えられる引き出しをしっかりと準備できなかったことが、トリデンテが不発なら打つ手なく終了という事態になってしまいました。

過密日程、なのにメンバー固定化

FCバルセロナは今季、三冠王者となったことによって、どのチームよりも数多くのコンペティションに参加しなければなりませんでした。夏の二つのスーペルコパ、リーガ、12月に日本を訪れてのムンディアリート、国王杯、そしてチャンピオンズリーグ。チームはここまですでに55試合をプレーしており、それはバイエルンよりも10、マドリーよりも12試合多いのだそうです。ただ、過密日程になることはシーズン開幕前から分かっていたこと。コンディション調整が重要なテーマでした。

にもかかわらず、ルイス・エンリケが起用する選手は月を重ねるごとに減少していきました。昨年はローテーションを積極的に行うことで成功したルーチョでしたが、ここ最近はメンバーが固定化。試合に出るのはクレなら誰もが暗誦できる11人と、セルジ・ロベルトアルダ・トゥランマティエウ(負傷中)、ラフィーニャくらいです。交代枠を使いきらないことも珍しくない。どうしてこうなってしまったのか、そこが気になります。

常時スタメンにはなれないけれど、出番がくれば良い仕事をしてくれる、いわゆる“中ランク”の選手、使えるサブが消えたことが、今の疲労困ぱい状態の一つの要因なのは確かでしょう。

“中ランク”選手の不足

“中ランク”がいなくなった理由として、SPORT紙はルイス・エンリケが元々コンパクトなスカッドを望んでいる、FIFA制裁による補強制限、主力の年俸が膨らみ“中ランク”に回せないクラブの経済事情、バルサB選手の不在などを挙げています。あとは“中ランク”というには偉大すぎますがチャビや、結果を出していたペドロの退団。これは痛かった。バルトラアレイシあたりがこの“使えるサブ”となっていれば良かったのですが、監督にとっては彼らは信頼するには足りないみたいです。アルダは使ってもらってますが、インテリオールとしては期待された成果をまだ出せていません。

トリデンテが格下チームとの対戦でもローテーション対象から外れたことが、このシーズンの重要局面にきて響きました。ペドロ・ロドリゲスの退団は今更ですが大きく、ラフィーニャの長期離脱もルーチョにとって大打撃でした。さらに冬の加入を期待していたノリートは諸事情あって獲得できずと、なんだかんだで結果を出してくれたトリデンテ頼みになるのも仕方ない面はあり。ただダメな時のネイマールアルダに替えるなども、選択肢になりえたんじゃないでしょうか。必要以上に特別扱い、の印象を見る者に与えます。

今シーズンは残りあと7試合ですし、再来週になれば試合は週末だけの余裕のあるカレンダーになります。ローテーションがあるとすれば、来週のリーガ3連戦くらいでしょう。なので今季は今の感じでいくとして、来季は是非ローテーション出来るスカッドとなって、トリデンテといえども時には休ませてほしいところです。それにバルサBやフベニールには楽しみな若手たちがいるみたいなので、若大将ジェラールと連絡を取り合い、カンテラーノを育ててほしい。まあまずは今季の二冠達成に向け、クラブ一丸となって突き進め、ですね。バモス!

ルイス・エンリケとチームの話し合い

さて、カルデロンでの手痛い敗北から一夜明けた木曜日、ルイス・エンリケと選手たちは次なる挑戦へと向けて気持ちも新たにトレーニングを開始しました。目指していたチャンピオンズ連覇は叶わぬ夢となりましたが、それでシーズンが終わったわけじゃない。バルサにはまだ大事なリーガとコパが残っているわけで、長々とショックを引きずることなく、立ち上がって前進しなければなりません。そこでルイス・エンリケがまず行ったのは、あるメッセージをチームへと伝えることでした。

SPORTとMDによりますと、14日のトレーニング開始前、ルイス・エンリケと選手たちによる話し合いが持たれたようです。そこで行われたのは文字どおり対話で、監督から選手たちへの非難、叱責、怒号、個人説教の類は全くなかったらしく。勿論黙って選手の耳を引っ張る、頬をつねる、といった行為もなく、ミスターはあくまでも建設的に、選手たちの二冠達成モチベーションを上げるスピーチをしたのだそうです。時間にして約10分のミーティングでした。

メディア情報によると、ガッツエンリケが選手たちに語ったのは、確かにヨーロッパタイトルを失ったのは痛いけれど、国内二冠を達成できたシーズンは十分にすばらしい一年であること、全ては自分たち次第であること、今はまだ肩を落とす時ではなく、いつも以上に王者の誇りが必要であること、アトレティコに敗れたことを嘆くのではなく前進する糧とすべきこと、周囲の雑音には耳を貸さずバレンシア戦にのみ集中すること、などだそうです。

負けることが大嫌いなプロフットボル選手たちですから、4月に入ってからの4試合でまだ1勝しか出来ていない(3敗)ことを、彼らが一番不本意に思っているでしょう。彼らはここで崩れるような玉ではない、はず。一度マイナスに傾いた流れをプラスに戻すのは簡単じゃないと推察しますが、カンプノウの後押しを受けてバレンシアに勝利すれば、良い感覚はまた戻ってくるんじゃないでしょうか。ファイトです!

 

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