ビエットのセビージャ行きに伴い、次の選択肢を見つけねばならないバルサ。
ルシアーノ・ビエットとケビン・ガメイロ。獲得を狙っていた2人のデランテロたちとはどちらも契約できそうになくなったことを受け、FCバルセロナはまた別の候補者選びを行うことになりました。現時点ではまだ信憑性の高そうな名前は挙がっておらず、各メディアの探り合いが続いているところですが、まず最初の予想としてSPORT紙が述べているのはバルサが若くベンチ暮らしを受け入れる選手になるだろうということ。一方でMUNDO DEPORTIVO紙は年齢によって選手を拒むことなく、条件に合うデランテロ獲得を目指していくとの見解を示しています。どちらの読みが的中するかも、ちょっとした楽しみってとこです。
スピードと得点力のある9番型
バルサ入団が確実視されたルシアーノ・ビエットは結局、より多くの出場時間を求めてセビージャ行きを決断しました。26日夜にはセビージャFCの公式ラジオが、選手はチームのドイツ遠征に合流すると発表。バルセロナが狙うもう一人のデランテロ、ケビン・ガメイロはまだ去就が決まってはいませんが、なんにせよセビージャの要求額はバルサの出せる水準を超えていますから、どの道無理な選択肢です。
サムエル・ウンティティの入団プレゼンテーションで、MSNトリデンテの控えになることが前提である第4のデランテロ探しは難しいかと訊ねられたロベルト・フェルナンデスSDは、「まったくもってそのとおり」と難易度の高さを認めています。メッシ、スアレス、ネイマールはあまりに強力なトリオですから、4番手となる選手はまず第一に出場時間の減少を受け入れなければならない。そのうえで得点力もなければなりません。
マドリー系のMARCA紙は次のような“求人広告”とともにバルサのデランテロ探しを説明しています。
FCバルセロナ・エリートチーム
メッシ、スアレス、ネイマールを補完するための安くて上手く、手頃なデランテロを探しています。
求める条件:
■主要リーグで証明されたゴール嗅覚
■カリスマ性とラルソンのようにまとまろうとする意欲
■控え役を受け入れること
■世界各地への遠征に参加できること
待遇:
■年俸最低200万ユーロ+インセンティブ
■全試合への招集
■コパ・デル・レイでの出場時間
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ルイス・エンリケはシーズン最初の記者会見で求めるデランテロの特性について、「得点力とスピードのある9番。サイドで抜ける選手はすでにいる」と説明していました。重視するのは中央での効率性の高さ。ポストプレーが上手いに越したことはないでしょうが、ライン裏のスペースへスッと抜け出し、ボールを確実にネットへと送り込める選手を必要としているようです。
SPORT紙は若い選手が優先上位との見解
27日付のSPORT紙はさらにここに、高額投資をする場合は若い選手を連れてくることがバルサの目標だとしています。それもただ若いだけでなく、第1デランテロとしての経験がありつつも、バルサでもっと成長したいとの意欲をもった選手。バルサで第4のデランテロとなってプレーするハングリーさを備えた競争力ある選手。そんな都合の良い選手は具体的には誰だと言いますと、同紙が例として挙げているのがサンティ・ミナ(20歳、バレンシア)とアヨセ・ペレス(23歳、ニューカッスル)です。あくまで例ですが。
SPORT紙はまた、マリオ・ゴメスやバン・ペルシー、バッカといった三十路付近の選手を加えることはグループにとって良いことではないとも述べています。ここが年齢によって候補を限定しないとの見解を示しているMDとの違いです。今日アンドレ・ゴメスの入団会見に同席するであろうロベルト・フェルナンデスが、言える範囲でこのあたりの疑問に答えてくれることでしょう。
ルーカス・ペレスはバルサを待っている
個人的には、以前少しだけ名前が出ていたルーカス・ペレスが魅力的に思います。2015/16シーズンはリーガで17得点(ペナルティ得点1)をあげていて、得意とする得点パターンはライン裏への抜け出しと、こぼれ球の押し込み。エリア内で仕事のできる得点への嗅覚のあるデランテロで、シュートも上手い選手です。運動量も豊富。年齢も27歳(9月で28歳)ですから、ベテランといえどもあと数年の活躍は期待できます。バルサ移籍を望んでいるらしく(意欲。ここ重要)、控えの役割を受け入れてくれる難条件もクリアしています。
移籍金はデポルティーボが交渉を望まないとの姿勢のため、契約解除金2,000万ユーロの支払いか、それに近い額となるでしょう。バルサからはまだ正式なオファーはない模様。ルーカス・ペレスはデポルからの契約更新オファーを保留とし、バルセロナの動きを待っているところだとされています。ルシアーノ・ビエットが消えた今、まず電話をかけるべき選手じゃないでしょうか。
ムニール「もし僕なら、バルサに飛び込んでいるだろう」
ちなみに、、“第4のデランテロはいないけれど、第5のデランテロはすでにいる”と言われているムニール・エルハッダディ。バルサの17番は昨日報道陣の取材に応対し、新たな競争相手が来ようとも自分からバルセロナを離れる考えはない、と野心的に語っています。「退団は考えてないよ。僕はこれからもハードワークを続けていくし、デランテロが来るのであれば歓迎するさ」「補強の必要性?それはクラブの問題で、僕には分からないよ… 僕はハードに努力して、たくさん試合に出られるように戦い続けていく。難しいのは知っているけど、今年の僕の挑戦だ」
「去年よりもっと試合に出たいから、そのために全力を尽くすよ」と抱負を語るモロッコ系デランテロは、ここまでのバルサ生活を振り返ってこう言いました。「自分はこれから良くなっていくと思う。それが一番重要なことさ。僕はクラックたちから学んでいるところだよ。昇格したその日から、チームメイトに評価されていると感じてる。彼らは僕を気にかけ、評価してくれてるよ」
もし自分が他クラブの選手で、バルサから電話があったらどうするかの問いには、「僕なら何も考えることなく、飛び込んでいくだろうね」と答えたムニール。クレとして嬉しいのは彼のような選手がトップチームでの居場所を掴み取ることですから、形はどうであれ生き残り、欠かせぬ選手と言われるようになってほしいなと思います。バモス!
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