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バルサB 新監督にセルジ・バルジュアン「目標は明白。私たちは育成者だ」

クライフ仕込みの元ラテラルがバルサに戻ってきた
ラ・マシアのメソッドに外での経験を加え、古巣への貢献を目指す

セルジ・バルジュアン(49)のバルサB新監督就任が正式に発表されました。契約期間は2023年6月末までの2年間。1週間前のガルシア・ピミエンタ突然の解任後、すぐさま第一候補として名前が挙がっていた人なので、調整は円滑に進んだようです。前任者の評価が高かっただけにハードルは高いですが、育成と結果の両立に期待がかかります。

ラポルタの信頼厚い

ジョアン・ラポルタ理事会によって進められているカンテラ改革。その中でもファーストチームへの選手供給なる重要な役割を担うフィリアル(Bチーム)の新監督が昨日(6月17日)、クラブによって正式に発表されました。
カタルーニャ人テクニコで、選手としても活躍したセルジ・バルジュアン。日本ではよく“バルファン”と表記されますが、カタルーニャ人なのでバルジュア~ンと呼んであげたいところです。

そんな呼び方はさておき、セルジ・バルジュアンのバルサB監督就任は既定路線だったかもしれません。
この元左ラテラルは春のバルサ会長選挙キャンペーンからラポルタの応援をしていて、ラポルタが行った陣営発表イベントにもしっかりと顔を出している。
そういった応援団の人々はいろいろと役職をもらっていて、バルジュアンにも良い仕事が回ってきた形となっています。ビクトル・バルデスはどんな仕事をもらえるかな?(←適当な役職を見つけるのに苦労しているとの話も笑。セルジの助手が有力だそうです)

もちろん、フィリアル指揮官は応援のご褒美にもらうには重要すぎるポジションなので、資質を評価されての任命でしょう。バルサ一筋19年でカンテラを知り尽くし評価も高いガルシア・ピミエンタを、セグンダ昇格に2度失敗したとの理由で解任したのであれば、セルジ・バルジュアンに課されるハードルも自ずと高くなります。

Bチームからドリームチームへ

セルジ・バルジュアンがバルサに帰還したことで、ファーストチームとフィリアルの監督はいずれもドリームチーム出身となりました。クマさんは解任濃厚だったとはいえ・・・ 結果としてこの並びは悪くありません。

現役時代のバルサ所属年は、クーマンが1989年から1995年。セルジは1993年から2002年までです。ウェンブリーの英雄がドリームチームど真ん中で、左サイドの筋肉弾丸は後期。とはいえふたりは2年間チームメイトだったわけで、円滑な意思疎通を期待したいです。

セルジ・バルジュアンはラ・マシア出身のカンテラーノです。1988年に地元のクラブ Granollers からバルサに加入し、バルサBでプレーしていたところをヨハン・クルイフに見出されてカンプノウデビュー。22歳の“遅咲き”ですがすぐさまファーストチームに定着し、翌年からは不動のレギュラーとなっています。

まるでエストレーモのごとき攻撃的なラテラルとして、左サイドを走り回る姿はインパクトがありました。当時そのようなスタイルの選手は他に例がなかったのです。右サイドには同じく小柄でラ・マシア育ちのチャッピー・フェレール。懐かしいですなぁ。

外部でのコーチ経験

現役引退後、コーチとしての第一歩はFCバルセロナのフベニールB(U-18)。2009年、2010年とリーグ優勝を果たすのですが、ラポルタに代わって会長となったサンドロ・ルセイとはウマが合わなかった様子で外部での挑戦を選び、以後はレクレアティボ、アルメリア、マジョルカ、Zhejiang(中国)の監督としてキャリアを積んでいます(コーチ業は2年ぶり)。

つまりラ・マシアで学んだバルサメソッドに、外部での学びを加えて彼なりに進化させてきたわけで。バルサB監督となったセルジ・バルジュアンはクラブ公式メディアの取材にこんなふうに語っています。

「自分のコーチとしての経験のなかでポジティブだと思うのは、バルサ以外のクラブに力試しに行ったことだよ。私はここで育ち、ここのメソッドは熟知しているけれど、どんなふうにトレーニングするのか、どんな選手や理事がいるのか、外部のことは分からないからね。ファーストチームの将来がある選手たちの育成に、力になりたいと思っている」
「10年前、より良いコーチとなるべく私はクラブを出た。クラブから再び信頼してもらえ、非常に嬉しいよ」

「目標は明白だ。私たちはファーストチーム次第であり、私たちは育成者なんだ。全ての選手たちがファーストチームに向かうようトライしていくよ。可能なかぎりの選手が上に上がることをクラブが望んでいると、彼らに理解させていくのが私たちの役割だ。長く険しい道のりだけれどね。私たちは彼らを手助けしていく」

2021/22シーズンからはセグンダ・ディビシオンBに代わってプリメーラ・ディビシオンRFEFなるプロリーグが新たに創設されまして、バルサBはそこからセグンダA昇格を目指して戦います。さてセルジ・バルジュアンの手腕やいかに。ファーストチームの一員となるキラキラ星を育成しつつ、結果も求められる困難な任務が彼を待っています。バモス、セルジ!

 

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