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宝石サンペール、トップデビュー

ブスケツの代役としてフル出場した19歳。

このAPOEL戦がクレの心に残っていくことは、まずありません。後世に語られるとするなら、それはルイス・エンリケ監督の欧州デビュー戦であり、キラキラ星サンペールのトップデビュー戦としてでしょう。6歳でバルサスクールに入門した若者が、全てのカテゴリーを通過し、19歳でトップデビューを果たした記念すべき試合。クラブ史上初、100%自家産のカンテラーノがデビューした試合。しかもブスケツとマスチェを招集外にしての先発起用ですから、ルーチョもなかなかやります。

いつものように両ラテラルが高い位置取りをするトップチームのなかで、2人のセントラルたちの前にいて、ポジションを見失うことなく急所をカバーしたサンペール。相手のプレーを読むことで、彼は9回のボール奪取に成功しています。さらにバルサ公式サイトによれば、セルジはチームで最もパスを繰り出した選手(107本のパスを試み、うち98本が成功)だそうで。若干異なるSPORT紙の数字でも成功率は93%。デビュー戦ということもあってか冒険はせず、パスはシンプルな捌き中心でしたが、場数を踏んで周りのリズムに慣れてくれば、攻撃でもより存在感を増していくでしょう。

ブスケツ先輩はまだまだ別格とはいえ、彼を休ませられる選手がカサから出てきたところに大きな意味があります。ラ・マシア伝統の“4番”の正当なる後継者とされるセルジ・サンペールが、バルサの生ける伝説たるチャビ・エルナンデスのデビュー当時の背番号、「26」を付けて公式戦に初出場したというのも、クレとしては感慨深いところ。このAPOEL戦は新たなる伝説となり得る選手の、その物語の重要な1ページです。

「カンプノウデビューはプライスレス」

試合終了後、ルイス・エンリケはカンテラーノを、「上々の出来だったよ。チャンピオンズがデビュー戦というのは簡単じゃないけど、彼はとてもよくやっていた。パスで失敗したのは1回だけだったと思うし、それは重要ではないさ。彼にはチームを指揮していくためのパーソナリティが備わっている。彼はクラブにとってすばらしい“見つけ物”だよ。この旅の中で、私たちを大いに助けてくれるだろう」と称賛。

一方でセルジ本人は、カンテラーノの夢であるトップデビューについて、CANAL+のマイクに次のようにコメントしています。「バルサのトップチームでデビューできるのは、信じられないほどのモチベーションだよ。プライスレスだね」

チャビの隣りでデビューするなんて贅沢なことだね。彼にはプレーの個人的なアドバイスをもらった。ポジショニングなどについて言ってもらった」

「先発するとルイス・エンリケに言われたのは、試合開始の1時間前だよ。でも実際は朝に招集リストを見た時、ブスケツとマスチェがいなかったから期待はしていたけれどね」

「このクオリティの選手たちの隣りでのプレーは、とても快適だった。ミスターにはいつもフィリアルでしているようにプレーしてこいって言われたよ。僕のポジショニングはとても良いってね。かなりのモチベーションでピッチに出て行った。とても難しい試合だったし、APOELの選手たちのポジショニングが良く、スペースを見つけるのは難しかったけれど、勝利を逃さなくってよかったね」

「監督には試合後に祝ってもらった。また明日(木曜)、落ち着いて試合を分析していくよ」

ちなみに彼の名字Samperに関しましては、現地ファンの間で発音論争が起こっているようでして。ラジオ局RAC1の取材に対して彼の父上ジョルディさんが説明したところでは e にアクセントを置いた「サンペール」なのですが、セルジ本人はチームメイトたちからずっと a を強調した「サンペル」と呼ばれてきたので、別の呼ばれ方だと「変な感じがする」とのことです。

 

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