補強について、現チームについて、語った新監督。
7月17日(火)、FCバルセロナ新監督ティト・ビラノバによる”仕事始め会見”が行われました。バルサのヘッドコーチとなった彼が、メディアの前に姿を現すのは就任会見に次いでこれが二度目。移籍マーケット絶賛開催中での会見ですので、メディアからの質問も自ずとそちら方面へと集中しています。そしてここでもティトは、残る補強目標はセントラルであると強調。ピボーテもできれば申し分ないねということなので、益々アノ選手がイメージされる感じになっています。
ハビマル、その他補強について
ほぼ1ヶ月前の監督就任会見において、ティト・ビラノバは補強を考えているポジションは左ラテラルとセントラルだ、と語っていました。前者のほうは、無事ジョルディ・アルバを獲得できたことでメデタシ。そして残るセントラルに関しては、新ミスターの発言はちょっとばかりニュアンスに変更が加わっています。ただのセントラルではなく、中盤も兼ねられるセントラルがいいね!という具合にです。
「ケイタのようにバルサから選手が出るのは、よくあることではないからね。この場を借りて、彼のすばらしい4年間に対しお礼を言いたい。彼がいれば、私たちはインテリオールとピボーテの2つのポジションをカバーできた。そして病のアビダルがいれば、セントラルとラテラルがカバーできたんや。もしセントラルとピボーテでプレー可能な選手を見つけられたら、それはパーフェクト。もしダメなら、カサから引っ張ってくるよ」
その条件に適う選手といえば、今真っ先に思い浮かぶのはハビ・マルチネスです。実際に会見では、そういうふうにも訊ねられている。そこでビラノバはこんなふうに受け流しています。「ハビ・マルチネスはその2つのポジションに適応するけれど、ヨーロッパには50人は両方でプレーできる選手はいるからね。特定の選手を挙げて話をする必要はない。すべてはクラブの経済力に懸かっているんや」。ちなみに本日のSPORT紙は、”ティトはハビ・マルチネスを要求”という大見出しがついています。
(※マドリーの公共放送局テレマドリーが火曜、バルサとハビ・マルチネスが合意に達したと報道。しかしバルサの情報筋はこれに対し、きっぱりと否定)
また、ぽつぽつとウワサの登場してくるデランテロに関しては、ティトの意見は明快でした。「デランテロを補強する必要はないよ。好い選手はたくさんいるんや。クラブには守備の選手を補強してほしい」。その大きな根拠となっているのがダビド・ビジャの存在であり、プレシーズンの初トレーニングで彼の状態を見た監督は「嬉しい驚きだった。バケーション前に彼の練習を見ていたんやけれど、(休暇中に)彼が相当な努力をしたのが見て取れた。とても良くなっていた」と語っています。
攻撃陣に駒は足りているという認識は分かりました。では、ローマで修行中のボージャンについてはどうなのか。ティトはケルキック買戻しの可能性について、こう言いました。「ボージャンとはまだ話せてないんや。彼のことはよく知っているし、高いクオリティの選手だと思う。彼は非常に若くしてトップチームへと昇格し、試合に出ればいつもゴールを決めてきた。この先に何が起こるかは分からないけれど、彼にはバルサでプレーする資質はあるよ」
一方、U-19ユーロコパでスペイン優勝に大きく貢献し、一躍時代の寵児に、とまでは行かないにせよ、バルセロニズモの期待感を刺激しているジェラール・デウロフェウ。この若き才能の状況については、ティト・ビラノバはこんなふうに見解を述べています。「彼のことはずっと前から知っているし、彼には大きな可能性があって、プレースタイルは大きな注目も集めている。ただ、急ぐことはないんや。彼にはまだ改善していくべき箇所がたくさんあるし、彼の居場所はバルサBなんやからね。それでも彼の可能性に変わりはない。トップチームに上がってこれるかどうかは、彼自身の問題や」
少数精鋭主義
ではチーム編成については、どういったものを計画しているのか。バルサBから4選手が上がってくることで、全員がトップチームに残るとなれば、人数はけっこう多くなります。「それはプレシーズンに見極めていくよ。私が好むのは、少数編成のチームなんや。それによって全員が重要だと感じられるし、フォームを保っていけるからね。Bの子たちの誰が残っていくのか、これから見ていく」
ペップのように少数主義で、前任者の功績という巨大な壁に挑んでいく。それがティトの考えです。「バルサのトップチームでは、くつろぎ気分なんてのは存在しない。私たちは勝つことを目的に集まり、すばらしいプレーをすることで世界中の認知を得たんや。私たちがやってきたことを、さらに向上させていくのはとても難しいことだけれど、ファンの人たちがチームが勝利し続けることや、以前のようにプレーし振舞うチームを見たがっていることを私は知っている。彼らに満足してもらえるような仕事をするよう目指していくよ」
それではどのタイトルを狙っていきたいのか。ティトはこう抱負を語りました。「バルサでは重要ではない試合なんてないよ。何故なら私たちは、全試合で勝ちたいと思っているからね。タイトルも全てが重要やし、どれかひとつを強調したくはない。リーガはより安定したチームに与えられるもので、チャンピオンズはヨーロッパの誰もが勝ちたいと願っているタイトル。どちらかを獲れれば上々やと思う」
モウリーニョとの事件について
この会見ではまた、昨年のスーペルコパで起こった目潰し事件と、それに対するREFE会長アンヘル・マリア・ビジャールによるお許しもまた主なテーマでした。ビジャール会長はあの恥ずかしい事件に関し、罪は一切問わないとした。そしてその決定にクラブやクレは不快感を表しているわけですが、当事者であるティト・ビラノバは、より達観したコメントを発しています。
「1年も前のスーペルコパでのモウリーニョとのことが、未だに話されていることに私はうんざりするよ。連盟の判事が処分を決めて、それを連盟の会長が許すのであれば、スポーツをする者として私はそれを受け入れよう」。そして。「委員会が1試合の処分を科すか、それとも2試合か、5試合なのかは罰ではないと思う。より大きな罰、それは(事件の)画像がこれから何年にもわたって残り続け、人々がそれを見ていくこと。それが私たちふたりへの罰なんや」
ちなみにモウからはリーガでのベルナベウクラシコの際に「挨拶を受けていて、悪い関係は一切ないと思っている」というティト。とはいってもアノ男のことですから、下品な口撃を繰り広げてくることは十分に考えられます。それについては、新ミスターはこうコメントしました。「返事をするかもしれないし、しないかもしれない。なにが起こるかは私には分からへんよ。仮想される攻撃について考える必要はない」
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