クラブが目論む大型補強により、競争激化が予想されるバルサの前線
セティエンの下でトレーニングをしつつ、バルサBでの試合出場が現実的か
ラウタロ・マルティネス(インテル)やネイマール(PSG)が連日バルサ系メディアの紙面を埋めている今日この頃。4月27日のMDとSPORTが揃って取り上げたのが、アンス・ファティの来季についてです。同じ筋からの情報があったのでしょうか、それによるとクラブはアンスをトップチームの戦力として計算していくという。とはいえポジションに空きはないので、時々Bチームにて試合に出ることになりそうです。
トップチームでの進化を期待するといっても
アンス・ファティ(17)は2019/20バルサ序盤の驚きでした。レオ・メッシとルイス・スアレスが怪我で戦列を離れる中で、エルネスト・バルベルデに抜てきされて数々の最年少記録を打ち立てた。
その後はクラックたちの復帰によって出場機会が減り、かつ成長期による身体的な問題もあったようでパフォーマンスが低下したりもしましたが、将来的に多くを期待される若手である点は間違いありません。彼はまだまだこれからの選手です。
ただ、いつものことですが、豪華絢爛スター選手が詰め込まれたバルサの前線には空きがない。来季はここにネイマールまで加わるかもしれません。
それでトップチームに残すといっても、出場時間がないことには有益にならないのです。
SPORTの挙げるニュースのポイントを見ると、こうなってます。
・バルサはアンスがセティエンの指揮下でチームに定着すると考える
・バルサはアンスに賭け、契約内容も上昇させるかもしれない
・クラブの考えは、アンスのフットボールが進化し続けるようにプリメーラで最大限出場時間を手にすること
「セティエンチーム」で「最大限出場時間を手にする」のは本当に両立できるのかとの疑問。
もちろん、そうなれば嬉しいのですが、そのためにアンス・ファティが勝たねばならない競争相手は多いです。ウスマン・デンベレ。アントワン・グリースマン。フランシスコ・トリンカオもライバルとなるでしょう。ひょっとするとネイマール。アレックス・コリャドもそうだ。
これだけの選手でひとつ、あるいはふたつのポジションを競っていきます。
(メッシは十代の頃から圧倒的な存在感だったけれど、ポジションを競ったのはルドビク・ジュリひとり)
期待はするが、現実的には難しい
フランス人クラックのうちのどちらかはドナドナされるかもしれないですし、怪我人の連続発生によって出場機会が巡ってくる可能性は大いにあります。
しかし、少し前のテレビ番組インタビューにて常勝が義務づけられたバルサではカンテラーノを試す余裕がないと語っているキケ・セティエンなので、アンスが完成度で上回るクラックたちより優れた成果を上げないかぎりは、起用優先順は下がる。現実としてはなかなか難しいです。
ということで、来季は「すばらしい補強の一人」としてトップチームに定着する一年になるぞと希望のバルーンを上げるSPORTよりも、「セティエンの招集リストに入らない週末は、バルサBにて試合に出る」とするMDのほうが有りそうなんですよね。
確実なのは、本人が望まないかぎりはレンタル修行はないことです。
トップチームで行動しつつ、試合はバルサBで
トップチームでトレーニングしつつ、バルサBで試合に出る方法は今季もすれば良いのにと思っていましたが、そうしなかったのはMDによると怪我を回避するためだそうです。
アンスが年末年始にかけてパフォーマンスを落とし、フィリアル(Bチーム)で試合に出た方が良いんじゃないかと言われた時も、セグンダBで怪我をしてシーズン終盤を失うリスクを考えると、フィリアルで出場させることも出来ずにキケ・セティエンのもとに残し続けたと(そして1月にはスアレスとデンベレが長期離脱)。
しかし来季は人員整理をしないかぎり前線に戦力が溢れますから、セティエンが使わないのであればバルサBに下りて試合に出ていく方がプラスになるでしょう。そのために、フィリアルにはセグンダ・ディビシオンへと昇格していて欲しいところです。
ちなみにアンス・ファティはフベニールからトップチームに飛び級し、バルサBでの出場は一度もありません(招集もない)。
コメント