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ピケ「バルサで引退する。もし来季…」

勝つことで自信を掴んでいったとセントラル。

トリプレーテ達成へと向けて意気上がるルーチョバルサにおいて、太陽のようにロッカールームの雰囲気を盛り上げ、そして守備の要としてチームメイトたちに安心感を与えているのがジェラール・ピケです。シーズン当初はベンチでスマホをいじっていたとか、弟の交通違反の件で市警と揉めたとか、ピッチ外の騒動でニュースになることが多く、パフォーマンスもいまひとつのセントラルでしたが、新年になってチームが調子を上げるのと呼応するようにピケもまた復調。今では“ピッケンバウアー”と称された数年前のレベルを取り戻しています。チームが栄冠を掴むためには、活躍が欠かせない選手の一人です。

リーガ優勝は誇り

そんなジェラール・ピケのインタビューが、つい先日ダニ・アルベスに斬り捨てられた首都系MARCA紙に掲載されてまして、彼が喋る時は大抵そうなのですが、今回のコメント内容もなかなかに興味深い。たとえば、リーガ優勝の話題がすでにメディア上から消えてなくなり、トリプレーテの事ばかりが話されている状況について訊ねられた彼の見解はこうでした。

僕らの中では消えてなくなったりはしてないよ。幾つかのメディアではそうなってるし、僕らの優勝よりもマドリーバスケットボールチームのユーロリーガ優勝を表紙に持ってくることを選んだ新聞もあるけど(=MARCA^^;)、リーガ優勝は全く消えて見えなくなったりはしていない。リーガを制したことを、僕らはとても誇りに思ってるんだ。そしてこれからはコパだ。コパは価値に低いタイトルのように思われているけれど、僕らにとってはチャンピオンズと同等に重要なタイトルだよ」

ルーチョチームはアノエタでの敗北で変わった、と言われています。しかしピケの考えでは、話はそう単純なものではありません。「話し合いの場が持たれ、僕らが一致団結したとは言えるだろうけど、そうじゃなかったよ。全ての集団と同じように、チームの成否は結果を得ることによる自信次第なんだ。1月まではチームは何度か躓いたけれど、そこからは良い結果が出始め、自信を掴むようになっていった。それに僕らは監督の望むものをより理解していったよ」

昨年は一回も勝てなかったアトレティコに勝ったことが、僕らに自信をつけた。モーターが回転速度を上げ、どんなチームにも勝てると思うようになり、それが僕らにリーガのタイトルをもたらし、二つの決勝へと導いたんだ。あとはもうノンストップだよ。残っている試合で勝利を目指し、完璧なシーズンにしないとね」

なりたかった自分に戻った

選手たちが監督の求めるものを理解したのか、監督が選手たちをよく知るようになったことでチームの改善方法に気付いたのか。ジェラール・ピケの説明はこうです。「監督にはアイディアがあった。それはレオをプンタ(最前線)で、ルイス・スアレスをサイドでプレーさせ、デランテロをもっと近くに置くというものだった。それが時間の経過とともに、それではスペースがない、密集しすぎていると僕らは気付いた。それで彼はレオをサイドに移す決断をしたんだ」

それはほんの一部だよ。僕ら選手もまた自信をつけていったし、チームはどんどんと強固になっていき、守備も良くなってブラボがサモーラ賞を手にすることになった。多くのことが積み重なって、この結果を残せた

チームが向上するにしたがい、ジェラール・ピケのパフォーマンスも上がっていきました。「チームに起こったことと同じだよ。ミスターが自分を計算に入れていると思う時にチームの調子が上がり、試合に勝ち、失点も減り・・・ シーズン最初にこうありたいと思っていた自分に戻ったと僕は感じているし、今はとても気持ちよくプレーをしているね」

最後尾でゴールを守るマルクアンドレ・テル・ステーゲンの技術と度胸を、ワカ旦那は絶賛しています。「僕らは現在と未来のポルテーロを手にしていると思う。コパのエルマドリガルでのビジャレアル戦を覚えてるよ。あの試合は相手の圧力がものすごかったんだけど、彼はなんの問題もなく左足でインテリオールまでボールを送ったんだ。あの瞬間にそんなことをできる選手なんて、他にはいないよ。それを彼はなんの問題もなくやった。ポルテーロなのに

守備システムは守備陣の頑張りと前線のプレッシングとどちらが重要か?の問いには「全員」だと答えたジェリは、マドリーを例に挙げて言いました。「選手の名前からマドリーのデフェンサの方がバルサより上だ、といつも言われるよね。マドリーにはペペやセルヒオ・ラモスがいるという理由で。でも僕がバルサにいる7年間で、マドリーの失点がバルサより少なかったことは一度もなかったよ」

引き出しが増え、経験値も増えた

数字の面では、バルサ史上最高の成績を残しているルーチョバルサ。現チームはグアルディオラ黄金時代を超えたと思いますか、との問いに、ピケはタイトル次第だと答えました。「それは見てみることにしよう。最終的にチームを偉大にするのはタイトルなんだ。信じられないくらいに良いプレーをして、何万もの引き出しを持っていたとしても、ミュージアムにトロフィーがなければ役には立たない。でも最終的に僕らが、ペップ時代と同じだけとはいかなくても多くのタイトルを獲得できれば、二つのチームを比べることはできるだろう。プレーの引き出しは今のほうが増えていると思うよ」

「今の僕らには、ペップの頃はあまり使ってこなかったカウンターがある。当時のような試合のコントロールはないけれど、それがたくさんの勝利を保証するわけでもないしね。だって今年の僕らは、かつてなく試合に勝ってるんだもの。ニュアンスの違い、監督の違い、選手の経験値の違いはあるけど、二つは似たチームだよ。今は困難な状況でも何とかできる成熟したチームになってるね。経験によって良くない状況も乗り越えられる

ルイス・エンリケとレオ・メッシの確執問題も今季の大きな話題でした。「バルセロナのようなビッグチームではよくあることだよ。チームにはスター選手たちがいて、みんなそれぞれに違っているからね。僕に言えることは、経験上、自分がいたチームのなかで今のチームが最高だってことさ。ムンディアルやユーロやチャンピオンズで優勝した選手たちがいて、エゴで目立つ者は誰もいない。気取らず良い人間ばかりなんだ。他のチームのように時々は衝突もあるけど、それはフットボル選手の生活の一部。10年間一緒にいる選手もいるわけで、普通はケンカもするでしょ?でも何日か経てば解決してるよ。問題はバルサ選手、世界最高選手ということで話が大きくなることだ」

いずれカピタンになりたい

2014/15シーズンの大きなニュース、それはチャビ・エルナンデスのバルサ退団です。彼のような偉大な選手が去ると次げた時、チームはどんな影響を受けるのでしょうか。ピケは言います。「僕は彼と7年間一緒に過ごしてきたし、彼の隣りでたくさんのことを勉強したよ。彼はこのカサに長年居て、その時々に求められるものを知っているからね。フットボルにおいては、彼は国内外で手本とされる選手だ。彼は彼以前とは異なる形でフットボルというものを理解している。彼は学校を作ったんだ。チーム内では、彼の不在は感じられるだろうね。彼はとても重要な人だったから」

カピタンが一人抜けるという事は、新たに誰かがその後任に就くということです。「カピタンは選手の投票で決まる。僕はカピタンでじゃなくても、自分の経験で貢献できるよう頑張っているよ。チャビが去るのであれば、誰かが彼の場所を埋めることになる。近い将来かどうかは分からないけど、僕もカピタングループに入りたいとは思ってるよ

自分がリーダーだと感じているか、との質問には、「ロッカールームではそう言葉は必要ない。僕らはピッチで多くを語るからね」「僕はメッシがリーダーだと考えてるけど、彼はプレーをするリーダーだ」と語ったジェリ。ではプジョルのように行動で模範となるリーダーだと思うか、と訊ねられた彼は、こう述べています。「プジはお手本だったね。でも僕は自分が彼のようだとは思っていないよ。僕はピケであって、他の長所や短所がある。経験を積むことで、その役割を心地良くやってる。ただ在籍年数で僕より長い選手はいるし、僕は微力ながらも尽力するようにしてるよ」

カタールにもMLSにも行かない宣言

ピケはバルサでプレーし続けるのか。その問いにセントラルは勿論、と答えています。「僕はバルサで引退するだろう。それがいつかは知らないし、よりベテランになってからだとベストだね。自分が別のユニフォームを着るとは思わないんだ。でももし来季で価値がなくなるなら、29歳で引退するさ。バルセロナなしでこのスポーツをする自分が想像できない」

「僕はサラゴサとユナイテッドに在籍して、イングランドで経験を積んだ。スペインでは、バルサ以外にどこに行くっていうんだろう?他のクラブにいる自分を思い描けない。何年後に辞めることになるかは分からないけど、7-8年後になることを期待してるよ。カタールにもアメリカ合衆国にも行かず、退団すると決めた日、僕は引退をするだろう

ちなみにリーガ優勝決定後、はしゃぎまくっていたジェラール・ピケですが、日本でも大きく報じられたバルトメウ会長へ向けられたノビタのチャントについて、あれはあなたのアイディアでしたかと訊かれてこう答えています。「ノー。どんなことも最後は僕のせいにされるんだ。飛行機の中では、僕は自分の世界にいた。とても幸せだったよ」

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