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トリデンテは止まらない:ラ・レアル戦

ルーチョチームの祭りは続く。

応援するチームのデランテロたちの連帯とやらをしきりに強調している首都方面のメディアもありますが、正真正銘の連係を見せているのがFCバルセロナの南米トリデンテです。カンプノウにレアル・ソシエダを迎えてのリーガ第13節においても、ネイマール/スアレス/メッシの攻撃トリオは高次元で融合。三叉矛の二人がネットを揺らしたなら、残る一人にも決めさせちゃいましょうという寛容さはこの試合の見所の一つでもあり、メッシにも祭りに加わってもらおうとする終盤のネイマールの“献身”ぶりは特筆ものでした。ネイは目下絶好調。メッシ帰還によって彼が脇役に戻る、との心配は杞憂に終わっています。

気を緩めぬ姿勢

ベルナベウにてレアル・マドリーを木っ端ミジンコにしたところで、次の試合でポカをしてしまっては意味がない。バルサがリーガでの首位の座を固めるためには、このカンプノウでのレアル・ソシエダ戦でも勝点3を確保することが重要になります。それはつまり、自分たちの好調さと良い結果から生じる幸福感に浸らない謙虚さ、用心深さ、さらなる向上を目指す野心が求められているということ。甘美な瞬間であっても労力を惜しまずにチーム第一のプレーをしていけることが、今のルーチョチームの強さの土台です。厳冬期にまた一度フォームが少し落ちるとして、この姿勢があれば必ずやまた浮上する、そんな信頼感が彼らにはあります。序盤に押し寄せた数々の逆境がチームをより強くまとめました

トリデンテのド派手な決定力に目を奪われてしまいますが、ダニ・アルベスが強調するところの、「お世辞によって人は弱くなる」との認識が、バルサをこの称賛の雨の中でも走らせています。世界トップクラスの選手たちがベストを尽くそうと力を惜しず、チームのために汗を流すのですから、結果も自ずと付いて来るというもの。レアル・マドリーさんがこのバルサとのタイトル争いを続けたいなら、内輪揉めをしている場合じゃないですよ。おっと、2位のチームはアトレティコ・マドリーでしたね。これは失礼。

トリデンテ揃いぶみにこだわったネイマール

2ゴールをアシストしたダニ・アルベスの活躍、スアレスのゴラッソ、イニエスタのキレのあるプレー、守備の安定感など見所の多い試合でした。南米トリデンテの結束もそのうちのひとつ。まだエンジン全開とはいかないもののプレーに多数関与していたメッシ、ゴラッソにポストプレーにと随所で存在感を出していたスアレスもいつものように素晴らしかったのですが、このレアル・ソシエダ戦で最も輝いていたのはネイマールJr.です。ここ1ヶ月ほどのネイマールは手が付けられないと言ってよい程の状態にあり、その躍動感に見る者の心も躍ります。以前はボールを持ちすぎている場面もありましたが、今のネイにはそれがない。判断がとても良い。しかもトリッキーで楽しい。2015年のバロンデオロはメッシとして、2016年はネイマールかもしれない、と真剣に思わせる最近の出来です。

自ら3-0とした後の、レオ・メッシにもゴール祭りに加わってもらおうとするプレーも印象的でした。この日は世界最高クラックのシュートにわずかなズレがあり、あと少しのところでゴールはないかと思われましたが、ネイの執拗さによって最後はトリデンテそろい踏みの目標達成。そのアディショナルタイムでの4-0へとつながったネイマールのプレーは、これでもかというくらいに気合が入っていました。バルサの11番は試合終了後、その点について訊ねられ、「最後はレオがゴールを決めるよう、彼を探したのは事実だよ。ピッチの外で、僕らは彼にすごく助けてもらってる。スアレスとメッシが得点を決めると、僕は幸せなんだ」と語っています。

自ら決めるチャンスがあれば、チームの勝利のためにメッシがゴールを狙っていくのは間違いないでしょう。けれども自分が離脱中の2ヶ月間にチームが機能していて、ネイマールスアレスが得点を量産しているのを見たメッシは、自分は彼らを活かす役割を担えばいいと考えているかもしれない。現在リーガではネイマールが14得点でピチーチ競争トップを快走、12得点のスアレスがそれを追走していますから、自分より二人にゴールを、とレオは思っていそうな気がします。エゴは捨て、お互いのためにプレーする。それがこのトリデンテの偉大さです。

ルイス・エンリケ 「三人揃って決めなければ、彼らにとって祭りは完璧じゃない」

スコアが3-0となった54分以降、チームがレオ・メッシもまた得点を決めるように頑張っていたのは明らかでした。試合終了後の記者会見にてその件を訊ねられたルイス・エンリケは、「キミたちにはどう見えた?」と質問に質問で返した後、このようにコメントをしました。「第一の目標は試合を決着させることにある。それが達成されたなら、(トリデンテ)全員で楽しもうとするのは理に適っているよ。そしてもし全員が得点を決めていないのなら、彼らにとってフィエスタは完璧じゃないんだ。私はそれは良いことだと思う」

試合について、バルサ監督の見解はこうです。「レアル・ソシエダの危険性は前もって警告していたとおりだった。エウセビオが指揮を執るようになってまだ2試合目とはいえ、彼らには変化が見られているし、もし“どれ、成り行きを見てみようか”というような臨み方をしていたなら、私たちは多くの問題に出会っていただろう。彼らのような素晴らしいチームに4-0で勝てたことは、私たちのチームとしてのポテンシャルを示している」

最初の3ゴールをアシストしたのがラテラルだったのが、レアル・ソシエダ戦の特徴のひとつです。「2列目からの飛び出した多くあったね。選手たちはとても上手く試合を読んでいたよ。相手がラ・レアルのようにプレッシャーをかけてくる時には、フリースペースが多くあるので、それを見つけなければならない。1-0のプレーではサイドへ開くために中央でプレーをし、2-0の場面では中央からラテラルへのパスで破った。とてもよく答えを見つけていたよ」

一方で、今がルーチョバルサの最高の瞬間か、との問いには、ガッツエンリケは渋い表情となったようです。「キミたち(報道陣)はその件にこだわるけれど、私の中には今季の方が上だ、という感覚はないんだ。去年も非常に内容の良い試合は幾つもあったからね。いずれにせよ、いまがベストかどうかに私は興味はない。興味があるのは私のチームが良いレベルにあることだ。上がり下がりはあるだろうけれど、最良の瞬間はまだこれからやってくる、というのが私の考えだからね」

チームが過信することへの恐れは抱いていない。私たちは良い瞬間にあるし、選手たちはやるべきことを行いながら楽しんでいるけれど、彼らは準備万端整えており、非常に頭も良いし、豊富な経験があり、様々な状況を経験してきているからね。12月にリーガ優勝するチームがないことを彼らは知っているさ。刺激的な一ヶ月が私たちを待っている。リーガやムンディアリートで重要な試合のある一ヶ月だ。だから私たちは一歩ずつ進んでいくよ」

バルセロニスタは今日マドリーエイバルに敗れ、勝点差が9に拡大することを期待しています。「まだリードは6ポイントだ。今節が終わるのを待たなければならない。アトレティコはすでにエスパニョールに勝っているわけだしね。先は長いし、これからシーズンが終わるまでには、全てのチームに取りこぼしがあるのは間違いない。だから私たちは自分たちの試合に集中することだよ」

 

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