1点取るまで苦労したが、その後は快勝。
国王杯1/4のアトレティコ・マドリー戦に挟まれ、ローテーションしながらも確実に勝点3を確保しておきたいという案外難易度の高かったエルチェ戦。前半はホームチームのガッツもあり、その難しさを示すような居心地の悪いプレーとなったバルサではありましたが、ピッケンバウアーのデランテロ顔負けのトラップ&シュートで先制して以降は順調に得点を重ねて0-6の大差で勝利を収めました。この試合での一番の話題はやはり、メッシとネイマールのすばらしき連係プレー。試合後のネイはカナル・プルスに対し、「メッシとなら全てが簡単なんだ。世界最高の選手の隣りでプレーできるのは名誉なこと。アイドルと同じチームに入れてとても嬉しいよ」と、レオとプレーする喜びを率直に述べています。
最高のピケが戻ってきた
今回のエルチェ戦でルーチョチームが勝利を得るうえでの最初の分岐点となったのが、35分のジェラール・ピケの先制点でした。フリーキック時の相手選手の油断を見逃さないチャビの狡猾な(利口な)プレー再開から、逆サイドでボールを巧みに胸トラップすると、そのまま右足で叩きつけるシュートを放ってエルチェゴールを攻略。先のネイマールによるとチームはこの手のサインプレーをたくさん練習しているそうで(確かにセットプレーでのバリエーションは増えてる)、難しい試合ではこういうゴールが大きな意味を持ってきますから、してやったりというところでしょう。
ピケはこのデランテロ顔負けの個人技以外にも、本職のセントラルとしても上々のパフォーマンスを披露。最終ラインを指揮し、相手のクロスやパスを阻止し、攻撃の起点にもなりと、偉大なるピッケンバウアーの帰還は現実のものとなった感があります。シーズン序盤のゴタゴタを乗り切った彼は、ここからはもうきっとノリノリじゃないでしょうか。チームにとって非常に心強いことです。リーガ200試合出場もおめでとう。
メッシ×ネイマール 必殺コネクション
メッシとネイマールの関係もいよいよ研ぎ澄まされてきました。かつてはオンドリが2羽いては成り立たないと心配する声もありましたが、それが杞憂であったことは彼らのコンビネーションとゴール後の喜び方を見れば分かります。レオはボールを持つと、まずはネイマールの位置を見る。モントーヤが右を併走していてもボールはまあ出ないけれど^^;、斜めにライン裏へと抜けようとしているネイには確実にドンピシャのアシストが出る。それを落ち着き払って決めるブラジリアンの決定力があってこそですが、相手からすれば恐ろしく、クレには甘美なタンデムであります。
あとはここに、3羽目のオンドリであるルイス・スアレスがいかに絡み合っていくか。28歳の誕生日をベンチで過ごしたマテ茶デランテロのチームの得点を喜ぶ姿を見るにつけ、是非彼もまたこのコンビネーションの中に入ってほしく思います。スアレスが良い仕事をしてるのはみんな知っている。バモス!
こじ開けるまではいまひとつ
一方でこのエルチェ戦の反省点はやはり、ピケの先制ゴールが決まるまでのパッとしないチームパフォーマンスです。アトレティコとのタフな2試合に挟まれたこのエルチェ戦で、ルイス・エンリケはローテーションを採用。残念な敗北によって騒ぎが起こるきっかけとなったアノエタでのラ・レアル戦とは違ってメッシ&ネイマールは先発起用したものの、アルベス、ブスケツ、イニエスタ、スアレスをベンチスタートとするなど、大幅にメンバーを入れ替えています。
それは自体は良いとして、イヤな感じだったのは序盤は全体のリズムが悪く、最近は改善していたプレッシングが効いていなかったことです。コパで惨敗(5-0、0-4)したエルチェがリーガではお返しをしてやるとアグレッシブにプレーしてきたこともあり、バルサは前半は流れの中からゴールチャンスを作り出すことができず。ゲームをようやくコントロールできたのはピケの得点の後でした。このリーガでは、特にフエラではいたる所にトラップが潜んでいるので、メンバー選びや試合への入り方など注意する材料になりましょう。
エンリケ 「どのようになれるかを示した」
そんなエルチェ戦終了後、ルイス・エンリケ監督は試合をこう振り返っています。「幾つかの局面のあった試合だったね。ピッチコンディションは最適ではなかったし、エルチェのようなチームを相手にプレーするのは難しいんだ。先制点を奪ってからは楽になり、試合をよりコントロールできた。シーズンを通せば、よくあるタイプの試合ではあるし、この手の試合は上手くやるのが難しい。90分間のチームの献身的な姿勢に私は満足してるよ」
先制点の難しさについては。「試合は0-3から始めることは出来ない。そこがとても厄介なんだ。試合開始時は相手チームがフレッシュで守備にも意欲的だから難しいものだ。出来る限り上手くボールを回そうとしても、ピッチコンディションが良くないケースも珍しくはない。私たちにはほとんど全てのスタジアムがこういうコンディションだよ。ゴールには時間がかかったものの、私たちはチャンスは作り出している。エルチェはプリメーラ・ディビシオンに所属する、危険を生み出す力を備えているチームなんだ」
メッシを偽9番に置いたシステムについては。「私たちには旧知のメカニズムだ。レオがセントラルの間でプレーをし、ボールを受けに下がってくる時、エストレーモとインテリオールがバランスを取ったポジショニングをすることが重要となる。この試合はチームの今と、私たちが今後どのようになれるかを示しているよ。チームは目に見えて強くなっている。メカニズムは他の選手がプレーしても機能している」
際立ったプレーを見せたネイマールについては、「他の選手たちと同様に非常にハイレベルだった」と評価した監督はそして、先発イレブンに関してはこうコメントしました。「私の中ではレギュラー選手はいないよ。交代が好きな選手を私は一人も知らない。それはフットボルでは普通のことだ。ただし一度にプレーできるのは11人なので、私たち監督は選ばなければならない」
コメント