チームを覆う雲を吹き飛ばすには、快勝が求められる。
この火曜日(日本では明日早朝)にカンプノウで行われるチャンピオンズ第6節、ボルシア・モンチェングラッドバック戦はFCバルセロナにとって重要な消化試合となります。バルサはすでにグループCの1位を確定させていますので、順位の点では意味のない試合ですが、勝てばUEFAから150万ユーロのボーナスを貰える事がまず1つめの大事なポイント。そしてなにより先日のクラシコ(1-1)の苦い後味を、今後への期待を感じさせるフットボルによって薄めるうえで、このボルシア戦は役に立つことでしょう。しばしばあるケースですが、リーガの傷をチャンピオンズで癒す、そんな試合です。
悪い結果には、勝利薬が効く
前日会見でのバルサ監督ルイス・エンリケは、いわゆる消化試合となるこのボルシア戦を「選手たちの士気を上げ」、「チーム上空を覆っている雲を消し去るために」重要であると語っています。
バルサはこのところリーガで3試合(マラガ、レアル・ソシエダ、レアル・マドリー)連続で引き分けていますし、国王杯エルクレス戦も引き分け。その寂しいフットボルによってルーチョメソッドに疑問の目が向けられるようになっています。ガッツ監督は「シーズン中にこういう時期があるのは当然の過程」と考え、チームが深刻な状況にあるとは見ていませんが、自分たちへの信頼が目減りしているのは理解している。そういった疑問を打ち消すには、「勝つことが最良の薬」というルイス・エンリケです。
また監督は、選手たちの姿勢に疑いの目を向けるのは止めてほしいと述べています。「このチームに何かあるなら、それは毎試合を勝ちにいく野心と意欲。クラシコでもそれは示されている。最終的な結果は良くも悪くもなるけれど、選手たちの姿勢が欠けていたと私が思ったことは一度もないんだ」
勝つことが一番の薬だ、と言うルイス・エンリケですが、勝敗がタイトル争いに影響を与えないこのボルシア戦は、普段できない事をする良い機会でもあります。ミスター曰く、「システムを変えて、ほかのデザインを試し、通常は起用しない選手たちを使い、試合の負担が積み重なっている選手たちに休みを与える機会」。バルセロニスタはアラニャやマルク・カルドナら、バルサBの若者たちを楽しめるかもしれません。
エンリケはグループステージでの得点記録(現在9ゴール。歴代最多は巨額脱税疑惑のアノ人の11)が懸かっているというレオ・メッシが「先発するだろう」と予告しています。怪我から復帰したアンドレス・イニエスタもフォームを上げるために出場するでしょうし、前半はメッシとイニエスタの共演でバルサらしいフットボルを見せ、後半は若者たちにチャンスを与えるという感じでしょうか。
メッシ先発、イニエスタも
ルイス・エンリケの言葉からして、このボルシア・モンチェングラッドバック戦は控え選手たちの適応度や自信を上げるために活用されそうです。いつもは先発メンバーについての質問に一切答えないルーチョが、昨日はレオ・メッシが先発すると予告。消化試合で大エースを先発させる理由は、■本人が出たがる、■勝つために必要、■得点記録が懸かっている、などいくつか考えられますが、アンドレス・イニエスタがピッチに入ることでバルサらしいフットボルが展開され、チームが勝ち、メッシがネットを揺らす可能性は高まりましょう。寒い12月の夜にカンプノウへと足を運ぶファンへのプレゼントにもなります。
足首が万全ではなく、昨日のトレーニングは別調整だったジェラール・ピケが欠場するのは確実ですので、国王杯で復帰したもののクラシコでは出番のなかったサムエル・ウンティティの先発も堅そうです。ピケのほかに欠場が確定しているのは、カード累積で出場停止のイバン・ラキティッチとネイマール(そして負傷中のムッシュマティエウ)。デニス・スアレス、ラフィーニャ、パコ・アルカセルあたりに出番が来るでしょう。
現時点ではマドリーに劣っていると感じられる控え層の強化し、ローテーションをしてもバルサスタイルを失わないためには、デニスやラフィーニャの成長が不可欠です。デニス・スアレスはついにチャンピオンズデビューの機会を手にすると思いますので、ドンの横で彼のプレーを吸収してほしいです。
層の強化といえば、悩めるパコ・アルカセルにはバルサ初ゴールで自信をつける機会となることを期待します。ここまで公式戦10試合のパコですが、奇しくもレオ・メッシとの同時出場はまだ無いそうで。9番の先発はルイス・スアレスと予想されますが、後半に出番を得たなら、大エースからパスをもらって初ゴール、、なんて事になれば素敵。バモス、パコ!
バルサBではアラニャとカルドナ
一方バルサBからは、月曜日のトレーニングに呼ばれたカルラス・アラニャとマルク・カルドナが招集リストに入りそうです。
アラニャといえば先週の国王杯エルクレス戦(1-1)で公式戦デビューを果たし、チームを敗北から救うゴラッソも記録。しかしながら試合終了後のルイス・エンリケには「ポジショニングで改善すべき点は多い」とダメ出しされてまして、これに関してカンテラーノはラジオ局SERの番組 La Graderia で次のように言っています。
「監督が僕に厳しくするのは、ゴールで有頂天にならないために良いことだよ。あれで僕はすぐに地に足をつけた」「あれはポジション取りへの批判だった。自分はインテリオールの後ろで、すごく簡単にプレーをしていた。それならオレでも出来ると言われたよ。後半はもっとラインの間に顔を出すように求められた」
ゴラッソによってメディアに称賛された件については、「新聞を見るのは好きじゃないし、距離を取るようにしている」とコメントしたアラニャ。とはいえ、いきなりゴールを決めたデビュー戦が思い出の夜になるのは確かですから、「ユニフォームはチームメイトたちにサインをもらうために取ってあるんだ。部屋に飾ろうと思ってるよ」と語ったセントロカンピスタです。ボルシア戦では後半にチャンスがあるかな?
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