現時点では結果を残せていることを評価するティト。
FIFAウィークによるパロン(リーガ中断)前のバレンシア戦は、1-0の最少得点差ながらもカサのティトチームが勝利を収めました。スペクタクルな内容とはいかなかったものの、トップフォームとはいかない中で勝点をしっかり稼いでいるのはポジティブなところ。スタンドから試合を見つめた指揮官は試合後の会見にて、プレーレベルは徐々に上がっていくだろうと言っていますので、その日を楽しみに待っていたいと思います。CR7の嘆き節もあり、なかなか良い気分の週明けです。
ピークはもっと先
このバレンシア戦の白星は、先週のパンプローナに続いて”カンペオン的勝利”となりました。内容がいまひとつであっても、稼ぐべき勝点はしっかりと稼いでおくという勝利。ティトがとりわけ評価したのは、守備面での1つの目標をクリアできた点でした。「無失点で試合を終えるのが重要だった。1-0のまま試合が進んだことで苦しんだのは確かで、同点の可能性もあったという印象を与えてはいたけれど、ゲームは私たちがコントロールしていた。前半に幾つかあった追加点のチャンスで決められていれば、より安心できていただろうけどね」
水曜日(4日前)に「ベルナベウで60分間、10人でプレーをした影響が感じられた」というティト・ビラノバ。彼は現時点では結果を残していくのが肝心なんだと強調しています。「(開幕3連勝で)9ポイントを得たのが非常に重要だ。チームには良くしていくべき点が幾つもあるけれど、ここまでの数試合では良い時間帯も何度かはあった。今はまだ、よりリズムを得ている4月と同じようにプレーすることはないよ。シーズンを通して、プレーのレベルは上がっていくことだろう。この段階でかなりハイレベルに仕上がっているチームはないと思う」
セスク、ソング、アドリアーノ、ペドロ
このバレンシア戦には、コインの裏表といいますか、逆の意味で主役となった選手がふたりいました。悩めるセスク・ファブレガスと、期待のアレックス・ソングです。まずは壁にぶち当たっている感のある4番について、ティト先生は心配する必要はない、と再び擁護のコメントを出しています。「私は彼を気にしてはいない。彼は好い試合をしていたし、飛び出しの出来るインテリオールとして、普通であれば決めていたであろうチャンスも2つ手にしていた。私はイニエスタもプレーさせたかったし、1-0という状況でデランテロたちもピッチに残したかったから、セスクと交代させたんだ」
一方で地元でリーガ初先発&フル出場となったソングについては、ビラノバは大いに満足といった様子でした。「彼はとても好い試合をしていた。チームと練習してほとんど日が経っていないのに、彼はすばやくオートマチック性を身に付けている。頭のいい選手だね。チームメイトたちとの連係もよく、カンプノウ初試合でのテストは合格点だ。彼は私たちの求めたことを全てこなしていた。彼はセントラルでも、デフェンサの前でもプレーができる。それが私たちが彼に求めていたことだよ。ケイタがチームを離れたことで、誰かがこのポジションをカバーしなければならなかった」
決勝ゴールをあげ、勝利の立役者となったアドリアーノについてもミスターは称賛しています。「アドリアーノは昨シーズンの終わりから調子がよく、今年も良い状態で入っている。いつ攻撃に参加すべきか、彼はとてもよく選んでいたと思う。バレンシアはカウンターが脅威のチームだからね」
そしてもうひとり、ペドロについてです。「ペドロはとても良いレベルでシーズンを始めているね。昨シーズンの彼はフィジカルに多くの問題を抱えていて、入るのに苦労していた。彼はチームに多くの貢献をもたらすだけでなく、ゴールチャンスを作り出し、得点ができる選手だ。守備面での働きも大きい。私たちにとって彼は非常に重要な選手だから、このレベルをキープしてくれることを期待してるよ」
雑感
バルサ系メディアはマドリーの試合を短くまとめる時に、”グレーの内容だったけれども、手堅く結果は手にした”とよく表現していますが、先週のエル・サダールに続いて、このバレンシア戦のバルサもそんな感じでした。ポゼッションは高い(60%後半)のだけれど、ゴールチャンスは少なく(6回ほど)、唯一のゴールで勝利をもたらしたのはまさかのアドリアーノ。危なげはなかったのですが、90分にはヒヤリとする場面もあり、快勝というには程遠いゲームだったわけです。
しかしこの試合では課題とされていた守備面での改善が見られ、前線でのプレッシングがまずまず機能していた。カウンターを得意とするバレンシアには、2度ほど(前後半に各1度ずつ)しか決定機を作らせてはいません。ティトが試合を十分にコントロールしていたと評価する所以です。そしてその守備が安定する上で、初先発のアレックス・ソングが効いていたのも明るい材料となります。
これからはFIFAウィークによるパロンに入りますので、ティト・ビラノバ率いるテクニコは修正点の分析をやっていくことになります。メッシの活用法もそのひとつ。中央突破を試みるにしても壁パスなどはとんと見られず、バルサが必殺技とする浮き球での抜け出しもありません。アレクシスやセスクはレオを探しすぎている感もある。特にアレクシス、シュート0本とはどうしたのさ?守備は改善の兆しが見えたので、次はぼちぼち攻撃も。チーム全体のフォームが上がっていくには、もう少し時間がかかりそうです。
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