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ルイス・エンリケ「三冠?それは獲らぬ狸の皮算用」

バイエルンに敬意を示しつつも、野心的なミスター。

ペップ・グアルディオラ率いるバイエルン・ミュンヘンをカンプノウに迎えてのチャンピオンズ準決勝イダ。相手に失点を与えることなく勝利することが重要となる地元での第一戦で、ルーチョバルサがどのようなパフォーマンスを見せてくれるのかが、少々怖くもあり非常に楽しみな試合であります。巷の注目度も非常に高く、メディアにはこの“世紀の対戦”の話題がわんさか。そのほとんどがスポーツ的なものであり、ピッチ外の騒音にまみれていないところが心地良い対戦です。

2年前のバルサとは違う

バルサ対バイエルンといえば、2年前のあの7-0が真っ先に思い浮かびます。ミュンヘンのイダで4-0とボコられ、カンプノウでのブエルタも0-3の完敗。あの時は、これでもかというほどの無力感・脱力感・落胆・悲観、とマイナス方向の感情を売るショップがあるならきっとこういう感じだという失意を味わい、数日間は貝になりたい…と思ったものでした。

しかし今季のバルセロナは当時と全く状況が異なります。あの年のティトチームはメッシ頼みで、そのメッシが怪我明けの低調フォームだった時点で敗色濃厚でしたが、今年はルイス・スアレスとネイマールが周りを固め、指揮官の長期不在もあってズタボロだったフィジカルはすこぶる良好。メンタル面でもトリプレーテ目指して意気上がっているのは2年前の三冠バイエルンと同じで、心技体が充実した状態にあるのが今のバルサです。ここでさらにYoutubeあたりで7-0の動画を見れば、モチベーション150%増量可能。互角以上にやれそうな予感は十分あります。

それでもペップはなにやら対ルーチョバルサ用のレシピを施してきそうですが、その罠にまんまとハマるかもしれませんが、、、試合前はバルサに好いようにしか考えない。だってクレだから。

全員攻撃・全員守備

UEFAの前日会見でのルイス・エンリケも、そんなチーム状態に手応えを感じている様子。ペップバイエルンに向け最大限の敬意を示し、慎重さを失ってはいないながらも、そのコメントは野心的で不安感などは一切感じさせないものでした。ルーチョチームが今、大きなことを成し遂げるために気力充実している様がそこからは伝わってきます。

「私はポジティブな感覚しか抱いていない。それはこの対決やライバルの重要性のみによるものだ」

私がトリプレーテという言葉が好きではないと誰が言った?私はその言葉が好きだよ。ただしそれと同時に、三冠が無冠になりえることも私たちプロは知っている。私たちは良い状態にあるけれど、獲らないクマの毛皮は売れないんだ。ファイナルへと辿り着ける2チームの一つになりたい、それが現実だ」

勝利に本命なんて存在しない。これはチャンピオンズの準決勝だ。彼らと同じように、私たちはいつもと同じようにプレーをしていく。それ以外のプレー方法を知らないからね。そしてブエルタもこれまで毎回してきたようにするとここで言っておこう。私たちは第二試合も勝ちに出て行く」

このチームのカギとなるのは全員攻撃・全員守備だ。得点が多く失点が少ないということは、全員がひとつのチームとしてプレーに関わっているということだ。個人技のタレント主体のチームと戦術のタレント主体のチームの戦いとなるか?良い定義かもしれないね。私たちには攻撃にも守備にも多くのタレントがいるし、全員が攻撃にも守備にもハードワークしている。加えて個人のタレントがあることが私たちのカギなんだ」

「メッシへのマークが彼にそう影響するとは思わない。相手チームはレオや私たちのプンタたちをどう止めるのかを知っているさ。この手の試合はディティールで決まる。メッシを知っているのと、彼を止められるのとはまた別の話だ」

ペップやチアゴの帰還

「アルカンタラ兄弟?彼らは勝つために必要なことをするだろう。大いに楽しんでほしいね。チアゴがオファーを受けた時、わたしはここにいなかった。バルサには全員のための居場所はないので、選手の決断は受け入れなければならない」

「チームが特別神経質になっていることも、感情的になっていることもない。カード自体が魅力的だからね。戻ってくるチアゴとグアルディオラはそうかもしれないけれど、なによりこれはチャンピオンズの準決勝だ。ペップの帰還は上手くどうにかするだろう。誰かへの挨拶よりも、試合の重要性や責任を選手たちは優先するさ。チャンピオンズの決勝進出が懸かっているんだ」

対ペップではなく対バイエルン

「ペップという人物を知っているので、彼ががなにかサプライズを、私たちを苦しめる何かをやれる監督だというのは知っている。けれどもシーズンのここまでですでに、私たちは何度も相手チームの試みたプランニングを乗り越えなければならなかったんだ」

「グアルディオラが来てからのバイエルンのスタイルは、以前とは少し違っているという感覚がある。グアルディオラのバイエルンは伝統を引き継ぎながらも、彼の刻印が入っている。激しく、攻撃で効率的で、私はそんなバイエルンが好きだよ。彼らはヨーロッパで最高のチームの一つだ」

「攻守で私が特に気にかけているポイントはいくつかあるが、これは比較的準備がし易く、選手たちのやる気を上げ易い試合だよ。モチベーションを上げすぎないように注意しなければならない」

私たちは対バイエルンの準決勝として試合の準備を行っていく。ペップに勝つためではなくね。ペップはヌメロ・ウノ(NO.1)だよ。それは私がそう思うからだし、彼は私の友人で、私はいつも友人のことをとても肯定的に考えているからね

私たちがどうプレーをしていくか、ペップはそう疑ってはいないだろうと思う。彼はこのチームを知っているし、監督としての私を知っていて、どちらのチームもボールが好きだ。どちらのチームが良い反応を見せるか見てみよう。現在ヨーロッパで見られる最も魅力的な試合の一つだよ」

欠場者があろうとも、バイエルンはそれを感じさせないほどに十分強力だよ。彼らは数ヶ月前から主力を欠きながらも、それを乗り越えてきたんだ。ライバルの危険性に変わりはないさ。相手チームがどうであれ、私たちの狙いはその他の対戦と同じだ。私たちは二試合で彼らを上回るよう試みていく」

バイエルンへの怖れはない

「私はもちろんバイエルンに敬意を抱いているけれど、怖いという感情は全くない。バイエルンへのプロフェッショナルな敬意以上に、私たちが抱いているのは試合に勝てることを示すための強い意欲と激しさだよ」

「二試合対決が良いか、一発勝負が良いか?バルサ相手にプレーするのはどちらであっても非常に難しいと思うよ。もし私たちが良い試合をすれば、ファイナルへと勝ち進めるだろう。選手たちを信頼しないといけない。相手も同じことを考えているだろうけどね」

冗談ながらも、私はペップとベルリンで会おうと約束したんだ。でもそれは不可能となった。ベルリンへ行けるのはどちらか片方になる」

「私の将来?フットボルでは未来なんて存在しないし、数日先のことも分からない。私は自分に関心のあることやクレにとって重要だと思うこと、つまりはバイエルン戦に集中している。その他のことを処理するための時間はいずれ訪れるよ」

 

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