並ぶ選手などいないことを再び証明したクラック。
改めてレオ・メッシがどえらい選手であると確認した試合でした。カンプノウにペップバイエルンを迎えてのチャンピオンズ準決勝イダ。ドイツ人守護神マヌエル・ノイアーの活躍もあって試合は0-0のまま終盤へと進み、後半はドイツ王者がコントロールしていたことで、そのまま引き分けで終わっても良しとするしかない、もしバルサが1-0で勝てるなら大満足か、とも思える展開でした。そんな局面で現れたのがレオです。76分にオレはここにいるぞ!と左足シュートを叩き込むと、さらに5分後にも今度は柔らかバセリーナでノイアーの壁を破ってしまう我らのギガクラックの恐ろしさといったらありません。もう何年も前から知っていました。知っていましたが、何度だって思う、メッシってすごい。唯一の選手。
ここぞのところでチームを勝利に導いたエース
監督として初めて戻ってきたカンプノウで、ペップ・グアルディオラは3バックで攻撃的にいく勇敢な賭けに出ました。彼にとっては残念なことにその賭けは功を奏さず、程なくして4バックへと戻しはしましたが、その正面から臨む姿勢は改めて痺れるところ。バイエルンは前半に訪れたピンチを守護神ノイアーたちの堅守で凌ぐと、後半は自分たちのペースで試合を進め、あと15分で目標達成のところまでいっています。後半のバルサはバイエルンにパスを回され、じわじわと疲労が増幅。このままいくと良からぬことが起こってしまいそうだ、とカンプノウには不安が生まれ始めてもいました。それを打ち破ったのがメッシ。ペップの与えたレシピが失敗した一番の理由は、ルーチョバルサにメッシなるギガクラックがいたことです。
ひとつめは76分、気迫の弾丸ゴールでした。右サイドのベストパートナーであるダニ・アルベスが奪取したボールを受け取ると、トレードマークであるエリア際でのドリブルを開始。左足を振り抜くと、ノイアーの手も届かない右ポスト横に渾身のシュートが突き刺さりました。さらにその5分後にはラキティッチからの縦パスを受けてエリア内へと入り、2タッチでボアテングを料理。最後はこちらも得意のバセリーナ(しかも右足)にて、ノイアーの壁も破っています。呆気なくメッシに抜かれ、尻餅をつかされたボアテングはすぐさまネットでのネタに。ルイス・スアレスに股抜きで葬られたダビ・ルイスと同じく、お気の毒様です。似たプレーでアルコルタを抜いたロマーリオを今でも覚えているバルセロニスタですから、このプレーもずっと記憶され、末長く語り継がれましょう。
ノックアウトラウンドに入ってからシティ戦、PSG戦と4試合無得点だったことなど忘れてしまう、この二つのゴラッソ。我らの大エースはこの2ゴールによって今季のチャンピオンズでの得点を10とし、今大会のピチーチレース首位にも躍り出ました(昨日得点したCR7は9ゴール)。さらに77ゴールとなったチャンピオンズでの通算得点でも、ポルトガルの色男(76得点)を再びリード。このままバルサがベルリン決勝へと勝ち進めば、メッシ伝説にまた新たな一ページが記される、そんな予感がぷんぷんします。
「ベストの夜はこれから訪れると期待している」
試合終了後のルイス・エンリケは、世界が注目した大一番に3-0で勝利したことに満足感を示しながらも、バイエルンとの対決に勝利したと考えることは拒否しています。「私たちは同じ目標を持ち、ヨーロッパ最強チームの一つである相手よりも多くのゴールチャンスを作った。けれどもまだファイナルに行ったわけではないんだ。チャンピオンズ決勝で3-0でハーフタイムを迎えながらも、最後は敗れたチームを私はまだ覚えている」
「私はいつも、ベストの夜はこれから訪れると期待しているんだ。けれども今夜は間違いなくすばらしい夜だったよ。ブエルタも私たちが勝ちにいくことに私はいささかの疑問もない。バイエルンがどのように来るかを疑っていなかったようにね。私たちはミュンヘンに勝ちに行く。それ以外に方法はないんだ。そして試合は難しいものとなり、彼らは私たちを苦しめてくるだろう。どちらのチームも勝ちを狙っていく、それは間違いないよ」
ペップとの試合に臨むにあたり、バルサのすべきことはハッキリしていたとルーチョは言います。「バイエルンが私たちからボールを奪い取ろうとすることは分かっていたし、相手のプレッシャーにやられボールを奪い返せない時にどうすべきか知る必要があった。ポイントとなるのは相手陣内でボールを保持している時で、私たちはそこを上手くやったね。最後の15分の前にも、すでにルイスやダニがゴールチャンスを作り出していた」
そしてミスターは「このレベルの相手にはディティールが勝敗を決める」と述べ、「レオのゴールでバランスは私たちの方へと傾いた。試合最後の私たちは的を射ていた」とメッシのゴラッソを評価。最後にも再び、「自分たちが決勝へ行ったとは思っていない。これまでにあらゆる出来事を目撃してきたからね。バイエルンは1/4ファイナルでは(イダを)3-1で敗れながらも(ブエルタで)ポルトを敗退させた。私たちがスコアに思いを巡らせることはない」と、ミュンヘンでも勝ちに行くと強調しています。
この3-0により、FCバルセロナは2年前の屈辱的惨敗(カンプノウで0-3。2試合合計7-0)へのリベンジを大方果たしました。しかしながらルイス・エンリケや選手たちが口々に語っているように、準決勝はまだ90分が残されていて、気を緩めてしまうとどんでん返しが待っていないともかぎらない。その点においてはルーチョが言っているように、オポルトの3-1勝利後の6-1敗退が非常に良い教訓となっています。チャンピオンズ史上、イダを3-0で勝ったチームが逆転負けを喫した前例はないそうですが、油断は禁物。ミュンヘンの森を炎上させるような燃えるプレーでの連勝を期待です!でもその前に、次は土曜日のレアル・ソシエダ戦。こちらもきっちり勝点3をものにし、ドイツへと乗り込もう!バモス!
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