アルダ・トゥラン ただ今勉強中

バルセロナスタイルに適応するため、イニエスタを手本に学ぶ。

2年連続トリプレーテ達成へと挑戦し、順調に歩みを進めるルーチョバルサにおいて、少しでも早くチームに適応し、タイトル獲得の貢献をしたいと奮闘しているのがトルコ代表セントロカンピスタのアルダ・トゥランです。しかしアトレティコの曲者魔術師と言われた彼をしても、独特なるバルサ流への適応は難しいらしく、今のところはまだ試行錯誤の最中。白組クライシスが面白くないマドリー系のMARCAやASは、バルサをいじれる数少ないケースとしてアルダの適応不良を取り上げていますが、まあそう焦りなさんなというところです。

バルサのフットボルは別物

アルダ・トゥランがバルサの適応に苦労し、アトレティコ時代のようなパフォーマンスを見せられていない理由としては、SPORTが下の5つのポイントを挙げています(日本語版は“アルダがバルサで成功しない訳”と見出しをつけていて、いつもながら愛情が感じられない)。■1月まで実戦出場がなかったことでパフォーマンスが落ちている。■バルサのインテリオールがすべき動きを模索中。■ローテーションによって継続出場できない。■バルサでは守備的な任務もこなさなければならない。■MSNトリデンテが決定的過ぎるため、ゴールやアシストで自信を得ることが難しい。

では、アルダ自身はこういった状況をどのように考えているのか。2日のMD紙がアルダ・トゥラン特集を組み、長いインタビューを行っていますので、そこから見てみましょう。まずバルサに入団してからクラブへの制裁が終わってデビューを飾るまでの半年間は、バルサのプレースタイルを理解するに十分だったか、なる質問への答えです。

「まず第一に、バルサというのは一つの学校として捉えなければならない世界があるゲームをしているところで、バルサは別のゲームをしているようなものなんだ。僕は毎日チームメイトたちから、バルサのスタイルを勉強してるよ。僕はここのスタイルを受け入れ、このチームの一ピースとならなければならない

「バルサのスタイルは僕に向いているから、自分のポジションでどうあるべきかを知る、それだけだよ。ボールを持ってどうプレーするかより、ボールをどのように受けるか、特にそこを知らなければならない」、「僕がお手本にしているのはアンドレス(イニエスタ)さ。彼から学んでいるところだよ」

このインタビューの中で、トゥランは何度も「チームの一ピースにならなければならない」と繰り返しています。

チームのピースとなる

バルサでのアルダ・トゥランはこれまで左右のインテリオールだけでなく、左右の偽エストレーモとしてもプレー。そのなかで一番フィットしたのは左サイドでのプレーでした。「左にはネイマールがいて、右にはメッシがいるんだよ!物事を新しく始めるのは難しいものだし、2月はすごくハードな一ヶ月だった。3日おきに試合があったし、遠征が多かったり、早い時間帯のキックオフだったりね… でも僕は満足してるよ。このチームの一ピースになるというのは、僕を幸せな気分にさせるんだ。自分がバルサへ入団することになった経緯を、僕は知っている。ここで幸せだし、自分が何をすべきかも知っているさ」

その自分がすべきことを、アルダはこう説明しました。「ここではアトレティコとは違う任務を負っているんだ。ここでは僕は攻撃し、守り、前線の三人にボールを供給しなければならない」、「ここでは全員がスター選手だから、僕は変わらなければいけない。僕はカーニョ(股抜き)や壁パスも好きだけれど、自分よりも上手い選手がいるなら、彼らのためにボールをパスすべきなんだ。彼らがいると、フットボルは簡単だからね。僕にはエゴが全くないし、ルイス・エンリケに言われた仕事をしてるよ。僕はチームの一ピースであり、ここにいることをすごく幸せに思ってる。自分が責任を負うべきビッグマッチが来るだろうと確信してるよ。守備を助けることも、攻撃的なプレーをすることも、どちらも重要なんだ」

セントロカンピスタはそして、攻撃的なプレーに慣れているあなたのような選手が守備もこなすのは簡単なことではないのでは、と訊ねられると、「僕はただこのチームのピースになりたいんだ」と再び強調。「初年度のネイマールと同じように、時間の経過とともに習得していくだろう」と述べています。そして今はまだチームに居場所を見つけてないのでは?との問いに対しては、このように答えました。

「異なるポジションを4つ、5つとこなせることは、自分にとってのアドバンテージだと思うんだ。それに僕は自分のポジションを探しているわけじゃなく、毎日システムを勉強しているだけだよ。頭のチップを交換するだけじゃない。僕にとっては全てが新しいことなんだ」

バルサ成功の秘密、タイトルへの渇望、信条

この長いインタビューではバルサへの適応以外にも、様々なテーマについてアルダは語っています。バルサというチームに入って最も関心を引いたことについては、背番号7はこう言いました。「多くのタイトルを勝ち取った選手たちなのに、まるで何も手にしていないかのような意欲をもってトレーニングに臨んでいるところだね。アンドレスブシイバンダニ、、彼らは全てを勝ち取っているのに、今でもモチベーション満々だよ」

「彼らにとっては、おカネを得ることよりも成功を手にすることの方が重要なんだ。彼らはすごく偉大な選手たちだけれど、エゴを持つことなく、チームのことを考えている。セビージャ戦でのレオがその見本さ。彼は守備のために50mを走って戻った。信じられないよ!」、「レオやネイが走るのなら、僕ももっと走らなければならない!って思うね

ルイス・エンリケの印象はどうでしょうか。「大好きだよ。相手に面と向かって話をして全てを説明する人だし、戦術的にもすごく良い。でも一番は彼のモチベーションだね。トレーニングでも試合でも、彼は選手たちの上に立って僕らをやる気にさせてくれる」

34試合無敗は、間違いなく彼の手柄だよ。チームが負けていないことを僕は嬉しく思うし、出来るなら終わりが来ないでほしいね。僕はここまでゴールがなく、アシストは3つだけれど、まだ僕は(バルサで)負けてないんだ。人は僕がゴールを決めてないしアシストもしてないと言うだろうけど、もしタイトルが獲れるなら僕にとってはなんだっていいだろう。僕はタイトルが欲しい

とても謙虚でチーム第一の選手。インタビューの最後、信条を訊ねられたセントロカンピスタは、こう答えました。「フットボルとはチームのためにハードワークするものだと理解しているよ。幸せに汗を流すんだ。フットボルを楽しみ、友人や家族との時間を楽しむ。僕にとっての人生はそういうものさ。もしネイマールと僕の両方に得点のチャンスがあるなら、僕は自分がゴールするよりもアシストをする方を選ぶよ。ゴールを決めるより、ゴールを提供する方が楽しくてね」

ロッキーのように

MD紙にはインタビューの他に、アルダ・トゥランの人となりが伝わる余話も紹介されています。それによるとアルダの趣味は読書と映画鑑賞。好きな本はコーラン(イスラム教の聖典)で、好きな映画は『グラディエイター』(リドリー・スコット監督。ラッセル・クロウ主演)なのですが、それとは別に『ロッキー4』が非常に好きなのだそうです。

「自分の調子が良くないなと感じる時、モチベーションを上げるため、ロッキー4を見るんだ。ロッキーがロシアへと向かう前に、妻と交わす会話をね」

ロシアのボクサー、ドラゴにKOされ、そのまま死んだ親友アポロのために、ロッキーはドラゴとの戦いを決意します。妻のエイドリアンは、“勝てばアポロが生き返るのか?これは自殺行為よ”と猛反対。それに対してロッキーは言います。「エイドリアンの言うことはいつも正しい。オレは勝てないかもしれない。オレに出来ることは、あいつのパンチに耐えることだけかもしれない。だけどオレに勝つためには、あいつはオレを殺さなければならないだろう。オレが死ぬまで、あいつも覚悟を決めてオレに立ち向かわなければならないだろう。あいつも死ぬ気でこなければならない。あいつにその覚悟があるかどうかは分からない。分からないんだ」

強い向かい風が吹こうとも、このロッキーのようにアルダ・トゥランは果敢にそれに立ち向かっていく。半年も試合に出場できないことを承知の上で、バルサ移籍を選んだこと自体が彼の決意の強さを表しています。このインタビューで彼をより好きになったクレは多いことでしょう。応援してまっせ、ヒゲの魔術師!

 

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