攻守のクラックが輝き、チーム奮闘することで得た勝利
サン・マメスで行われたアスレティック戦のバルサ勝利(0-2)を伝えるMD紙の見出しは、「EN BUENAS MANOS」でした。英語でいえば「IN GOOD HANDS」で、その意味は「何も心配することがない。信頼できる人に任せておけば大丈夫。安心、安泰」といったところ。テル・ステーゲンのセーブ連発にかけているわけで、上手なものです。
聖ビクトルから聖テル・ステーゲンへ
このアスレティック戦は、そのスコア 0-2 が伝えるほどに楽な試合ではありませんでした。
パウリーニョが決着を付けたのは後半追加タイムで、それまでの後半45分間はバスクチームがどこで追い付いても不思議ではない展開。テル・ステーゲンがアドゥリスの至近距離ヘッドをスーパーな反応で弾かなければ、おそらく1-1で終わっていたでしょう。
メッシが決めて、ポルテーロ(GK)が救う。ビクトル・バルデスがいた頃はそんな試合がいくつもありました。今のテル・ステーゲンはあの当時の聖ビクトルを超えようかという出来で、再三チームを勝点喪失から救っている。
しかもステーゲンの場合は“狂い咲き”の印象はなく、あくまで安定したパラドン連発なのが抜きん出ています。そろそろ「聖」の称号で呼んでいい頃。余程のゴラッソでないかぎり、テルさんの壁を破られる気がしません。
もう一人の英雄、レオ・メッシの決定的な仕事はもう、ほぼ試合ごとの出来事です。なので慣れてしまっているのが申し訳ないくらいに、いつものこととして受け止めてしまう。先制点の数分前の、ポストを叩いた中央突破も次元の違うプレーでした。
リーガ第10節で12得点を決めるだけでなく、ゴール枠を9度叩いてるって、どんな数字ですか。
ブスケツ「僕らは耐える術を知っていた」
セルヒオ・ブスケツは試合終了後、「圧力のすごいファンに後押しされたアスレティックに勝つのは、とてもポジティブなことだよ。後半は苦しかっただけに、この3ポイントには価値があるね。僕らは難しいスタジアムで勝った。後半はかなり苦労したけど、僕らは耐える方法を知っていた」と熱戦を振り返っています。
彼の言うとおり、後半のバルサはアスレティックの攻勢によって劣勢に立たされたのですが・・・ 決して諦めない相手と最後まで競い合い、勝利をものにできた、ここに意味があります。最後のパウリーニョ弾は、こちらも戦い抜いたことへのご褒美。
リーガ10試合で9勝1分(勝点30のうち、28を獲得)はクラブ歴代最高スタートのタイ記録です。しかし2013/14シーズンのタタ・マルティーノ率いるバルサは途中で失速し、アトレティコに優勝を譲っている。その前年、2012/13シーズンのティト・バルサはきっちり優勝してますので、こちらの再現になることを期待しましょう。
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