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マスチェラーノ、表門からバルサ退団。その男前コメントを振り返る

24日(水)に退団セレモニー、25日(木)のデルビー前にファンに挨拶

FCバルセロナがハビエル・マスチェラーノの退団を発表しました。移籍先は明かされてはいませんが、彼の7年半に及んだ貢献を称えるために、本日1月24日の現地時間11時(日本時間19時)からカンプノウに隣接するイベント施設 アウディトリ1899にて退団セレモニーが行われると。ごく限られた選手にのみ与えられる、マスチェに相応しい送別会です。

この退団セレモニーは過去には、カルラス・プジョルチャビ・エルナンデスの二人の第1カピタンにしか催されていません。それだけ彼が特別ってこと。

また、翌日にカンプノウで行われる国王杯エスパニョール戦では、キックオフ前にマスチェラーノによるファンへの挨拶もあるとクラブは発表しています。
出場のあるなしは、筋肉の違和感でベティス戦を欠場しているので不明。怪我のリスクを考慮すると、挨拶だけかな。

とにかく謙虚

マスチェラーノのバルサ加入は2010年8月30日、移籍マーケット終了目前の駆け込み入団でした。
セルヒオ・ブスケツとのポジション争いを嫌がったトゥレ・ヤヤが移籍を志願したことで、その穴を埋めるための補強。しかし謙虚さの見本といえるマスチェは事あるごとに「メディオセントロのレギュラーはブスケツ」と繰り返しており、その潔さもクレのしびるところです。

ピッチ上での闘志にあふれ芸術的ですらあるスライディングタックルだけでなく、ピッチ外での発言のカッコ良さもヘフェシートの魅力でした。

マスチェラーノ「自分がベンチとなっても、ブスケツがプレーする方が好い」
水曜日のマンチェスター・シティ戦では、クン・アグエロが蹴るであろうペナルティの方向をテル・ステーゲンに指し示していたことが話題となっているハビエル・マスチェラーノ。もはやチームに欠くことのできない存在となっている彼は、日曜日のレアル・マドリー戦においても負傷中のセルヒオ・ブスケツの代わりにピボーテとして先発することが予想されています。セルヒオは木曜のトレーニングではグループ練習に一部参加するなど、予想を上回る回復を見せていますが、いきなりの先発復帰は難しいはず。ただし招集メンバーには入るのではないか、というのが大方の見解です。
マスチェラーノ「一つのゴールで僕の人生は変わらない」
卓越した危機察知能力と闘志あふれるプレーによって、バルセロニスタから絶大な信頼を集めているハビエル・マスチェラーノ。しかし彼への信頼感はそんなプレーによるものだけでなく、ピッチ外で語る言葉の謙虚さ、端々から感じられる人格によるものです。バルサの14番は木曜夜、TVEの対談番組 Efectivament にゲスト出演。三冠を目指すチームの今やバルサ成功の秘密、引退後のプランなどについてたっぷりと語りました。マスチェ好きとしてはスルーするわけにもいきますまい。

そういえばマスチェは秋に発売されたアルゼンチン誌 Grafico のなかで、バルセロナに来てすぐペップ・グアルディオラに言われた冗談を明かしていました。

「ペップは僕をクラシック音楽の流れる部屋に迎えたんだ。そこで彼の言った言葉を僕は忘れないよ。『キミはプレーできないのにここへ来たことを知ってるかい?(笑)』って言うんだ。僕は彼に『あなたは僕のことでいっさい問題を抱えないんで、安心していいです』って答えたよ」

バルサのセントラルとして大成功

ヒドいことを言うペップですが(^^;)マスチェラーノをセントラルにコンバートする妙案を思いついたのも彼でした。カルラス・プジョルが負傷離脱したことを受け、メディオセントロで苦労していたマスチェを最終ライン中央に入れたのです。

“掃除屋”といわれたマスチェラーノの危機察知能力、スピード、柔軟性がここで活きてレギュラーを獲得。
プジョルが引退をした後は特に重要性を増し、サムエル・ウンティティによってそのポジションを奪われるまで、彼はバルサの守備の要として数々のピンチからチームを救っています。

マスチェラーノ「フットボルのために生き、そして死ぬ」
アルゼンチンが惜しくも準優勝に終わった2014年ムンディアルは、ハビエル・マスチェラーノが一躍そのスゴさを世界に知らしめた大会でした。“陰のMVP”とも言われるヘフェシートは獅子奮迅の働きでアルヘンの守備を支え、ロッベンへのシュートブロックに代表される気迫のプレーは、多くの熱狂的ファンを生み出しました。ツイッターでは“#Maschefacts”なるハッシュタグが作られ、スーパーヒーローとなったバルサの14番。彼は今戦いの疲れを癒すため、家族とのバケーションを楽しんでいます。

プレーできないどころか不慣れなポジションで不動のレギュラーとなり、バルサの外国人選手としては(メッシコクーアルベスに次ぐ)歴代4番目の334試合に出場。昨シーズンのオサスナ戦で記録したペナルティキックも、ついに生まれた初得点と逸話となりました。

獲得したタイトルは15。
紛れもないバルサのレジェンドです。

プレーはを楽しむのではなく、苦しむもの

マスチェラーノといえば、その独特なフットボール感も彼の性格をよく表しています。
フットボールは楽しむものというよりは苦しいという、プレーを楽しみたいと語る選手の対極をいく考え方です(2015年のPANENKA誌より)。

90分間は苦しみだよ」
「間違いを犯さないように、自分にだけじゃなく、チームメイトたちの動きにも気を配ってるんだ」
「多くの選手が『楽しむためにピッチに出る』と言うけれど、僕は楽しむためにピッチに立たない。トレーニングや勉強は楽しいんだけれど、90分間は試合を楽しみはしない

失敗をした時は「自分のエラーでチームを苦しめた」と素直に認めますし、プレーに関してとにかく真摯なヘフェシートです。

「いい人間だったと覚えていてほしい」

バルサ退団に関しては、もう5年も前になるのですが、マスチェラーノは、こんなことも言っていました。

マスチェラーノ語る
ハビエル・マスチェラーノがマラドーナによってアルゼンチン代表のカピタンに指名されたのは、2008年11月のことでした。あのアクの強いアルビセレステで24歳にしてカピタンマークを巻くのですから、それだけ彼が人望やらリーダーシップに長けている人物ということですが、実際に自分の応援するチームの選手となったことで、それはとてつもなく実感します。バルサにやってくる選手はその多くが人格者ですが(例外もいる^^)、なかでもマスチェは際立っている。そんな”ヘフェシート”によるインタビューがMUNDO DEPORTIVO紙に載っていますので、全部ではないですが紹介してみましょう。

最初はスポーツ面での成績を見られるけれど、それ以上に自分にとっては、人を敬い、敬われるのが重要なんだ。だから、そういう人間であり、そういう暮らしをするよう努めている

僕の場合は、いつかバルセロナを去る日が訪れた時、あいつはクラブに全く面倒をかけなかったな、いつもベストを出していたなと記憶されてたいんだ。つまりは、いい人間だったと覚えていてほしいってことだね

それはもう完璧に実現できましたよ、ヘフェ
あなたはいつもベストを出していたし、他者を敬い、他者から敬われるいい人間だった。
マスチェラーノのような人であり選手がバルサのロッカールームからいなくなってしまうことが、ものすごく寂しくてなりません。年末から覚悟はしていたのに。

まあ湿っぽい話は、退団セレモニーを見てからにしますかね・・・
ここではひとまず、「ありがとう、マスチェ!
新天地でも大きな幸せに包まれますように。

 

このニュースのまとめ

  • ・FCバルセロナがマスチェラーノの退団を発表
  • ・2010年8月に入団、本職ではないセントラルとして大貢献
  • ・25日にお別れセレモニーが行われる

 

コメント

  1. レト より:

    不本意なポジションを長年勤め上げ、必要とあらばチームメートを叱責し
    彼の能力だけでなく静かなリーダーシップにも大いに助けられてきましたね。
    新天地での幸福とW杯での躍進を祈っています。

  2. onak より:

    読んだあとに物凄く寂しくなるので、マスチェ退団関連の記事は退団が確定するまでは極力読まずにいました…。バルサが表門からしっかりと送り出してくれることに安心しています。今までありがとう!

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