当初のよく分からない役職から、補強部門のディレクターに正式就任
マテウ・アレマニやチャビとともにスカッド強化に奮闘する
FCバルセロナが先週金曜（9月16日）、ごく簡単な公式発表を行いました。曰く、「ジョルディ・クルイフが新たなるスポーツディレクターとして契約書にサインをしました。これは7月1日から彼が就いていた職であります」。これまでよく分からなかったジョルディの立場がこれで確定し、スポーツ部門の陣容が固まった。言うなればアレマニ、チャビ、そしてクルイフのトリデンテです。
2021年9月に加入
バルセロナの伝説ヨハン・クルイフの息子であり、1993年から1996年にかけてはファーストチーム選手だったジョルディ（Jordi Cruyff）がディレクターとして古巣バルサに復帰したのは去年、2021年9月のことでした。
ジョルディ・クルイフのテクニコ歴：
2010年の現役引退後はAEK Larnaca（キプロス）、マッカビ・テルアビブ（イスラエル）でディレクターを経験し、マッカビでは2017/18シーズンに監督も担当。2020年には中国の深圳FCの監督を務めています。COVIDの影響で試合はなかったけれど、エクアドル代表監督歴もある。
地中海からイスラエル、アジア、南米といろんな世界を見ている人物です。
そんなジョルディにラポルタが白羽の矢を立て、ジョルディはジャン会長とともに愛するバルサ再生のために力を尽くすことを決めた。バルトメウ時代に戻らなくて良かったですよね。
バルセロナでの最初の肩書は、“会長顧問 兼 国際部門ディレクター”だったか、よく分からない役職でした。よく分からない役職なので、ロナルド・クーマンが早期解任された場合の“保険”じゃないかと見られたり。
具体的な案があったかなかったか不明ですが、ジョルディは敏腕マテウ・アレマニのそばで働くことで貴重な経験を積み（冬市場での前線補強とかウンティティ契約更新とか）、周囲の信頼も勝ち取っていったわけです。
それが今回のスポーツディレクター就任へとつながりました。
そして重要ポイントですが、チャビ・エルナンデスとの相性も抜群だった。
ジョルディ・クルイフはチャビとともにスカッド計画を練り、ウスマン・デンベレの残留や（テルアビブ時代から追っていたという）ラフィーニャ獲得において重要な働きをした模様です。
実際は7月1日からディレクターとして働きつつ、正式な発表は9月まで遅れた理由を、ジョルディ・クルイフはこのように述べています。
「ミステル（チャビ）が満足するために仕事を完了させることの方が、私の役職を発表するよりも重要だったんだ。マテウ・アレマニや理事会と行ってきたワーキンググループにとても満足してるよ。フットボルにおいては野心的でなければならず、物事が上手くいっていても、より良くするよう目指さなければならない。チャビとの対話はスムーズで、彼と理解し合うのは簡単だよ」（バルサTV）
スポーツ部門組織はこんな感じ
ジョルディ・クルイフのスポーツディレクター就任により、FCバルセロナのスポーツ部門は以下のような編成となりました。
会長：ジョアン・ラポルタ
└ スポーツ部門副会長：ラファエル・ユステ
└ フットボルディレクター：マテウ・アレマニ
フットボルディレクター：マテウ・アレマニ
└ スポーツディレクター：ジョルディ・クルイフ
└ファーストチーム監督：チャビ・エルナンデス
└ スカウティング：パウロ・アラウホ、ホセ・マリ・バケロ
スポーツ部門の責任者は副会長ラファ・ユステです。
その下に各プロスポーツセクションの責任者がいて、フットボル部門はマテウ・アレマニ。
スポーツディレクターのジョルディ・クルイフはアレマニの部下となります。
選手たちとの契約やサラリーの管理はアレマニが担当し、クルイフはチャビの意見を聞きスカウト部の情報を見て補強／放出計画を練り上げていく感じでしょうか。交渉はアレマニの出番です。
ジョルディは当初、セクレタリオ･テクニコになるのではないかと言われていました。
日本ではスポーツディレクターと一緒くたに扱われますが、主に決定権において違いがあり、スポーツディレクターの方が上位です。以前のエリック・アビダルやラモン・プラネスはセクレタリオ･テクニコでした。
ジョルディ・クルイフにはダビ・フェルナンデスならびにジョエル・ララなる二人の助手がつき、彼に様々な情報を上げてきます。この二人はセクレタリオ･テクニコ的な扱いだと思います。
契約期間については公表されていませんが、1年刻みの契約らしい。クラブからは長期契約も提案されたそうですが、彼自身が短期の方を好んだということで1年刻みとなったようです。
つまりは成果次第なので、スカッド強化が上手くいっている証としてジョルディ・クルイフが長く在職するよう期待していましょう。
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