守りが脆くて3失点。
ここまで公式戦7試合を6勝1分と上々の結果を残してきたルイス・エンリケ率いる新生バルサが、ついに初黒星を喫することになりました。無敗のまま1年を終えるとは思ってもいませんし、舞台もパルク・デ・プランスなので負けたこと自体にさほど大きな問題はなし。あとは指揮官を始め、チームがこの結果からどのような分析をし、黒星をどのように活かしていくかです。試合終了後のバルサ監督の見解は、「ボールを前へ送っていく際にエラーがあり、それが相手にセットプレーを許していた」というものでした。
常に先行を許した
ルイス・エンリケはシーズン最初の敗北を、ポジティブに捉えようとしています。「私たちと同じレベルの、プレッシャーをかいくぐれる実力を持ったチームと対戦した、ということだよ。分析をするには非常に興味深い試合だ。私たちは常に相手に先行されていたし、ラスト30分まで決定機を作り出せずにいた。引き分けることも出来ただろうけれど、この負けが不当な結果だとは言わないよ」
PSGに敗れたのは、「(最終ラインから)ボールを出していく際に犯すべきではないエラーがあり、相手にセットプレーを与えたこと」に大きな原因があると監督は考えます。「彼らはセットプレーがとても強いチームだ。私たちはそれを分かっていたし、避けようともしたけれど、時々、その手のエラーが起こることもある。スコアで先行されれば、試合ひっくり返すのに苦労するものだ」
この黒星の一番の責任は指揮官である自分にある、とルーチョは言います。「負けたのは全員のせいだし、最大の責任者はこの私だよ。選手たちの姿勢は良かった。同じ事を繰り返さないように、私たちが良かった点と悪かった点を徹底的に分析していくよ」
今回のこの結果によって、バルサはグループFでの首位の座をPSGに渡しました。「首位を失ったことは気にしていない。私が気にしているのは(次の試合で)良い感覚を取り戻すことだよ」。バルセロナは今週末、再び敵地でのラージョ・バジェカス戦をプレーします。何気にいやなスタジアム。
両ラテラルの失敗、スカスカの中盤・・・
PSG戦で明らかになったのは、昨シーズンから指摘されていた両ラテラルの背後のスペースの危険性です。ダニ・アルベスとジョルディ・アルバが高いポジションを取ることで生まれる穴を、パリチームはルーカス・モウラとパストーレが活用。この火曜日はそれだけでなくラテラルたちの失敗も数多く見られ、ドタバタになる場面が多発しました。
先制点のきっかけはアルベスのボール喪失でしたし、2失点目はジョルディ・アルバがボールを奪われたことによって与えたコーナーキックから。3点目もあっさりと裏を取られてのセンタリングを逆サイドの選手にほぼフリー(追っていたのはダニ)で押し込まれてのゴールでした。敵将ローラン・ブランの狙いが当たったと言えますが、サイドをこれだけ制されてしまうとキツイ。ベルナベウクラシコに向け、ここは大きな修正ポイントです。アルバが冴えない場合は、マテューにラテラルを任すほうが良いかもです。
ただ、両ラテラルだけが悪かったわけではなく、中盤や前線からの守備もまた機能していなかったために、PSGは容易にボールを前へと進め、ショートカウンターを発動できました。いつもは頼りになるラキティッチもこの夜はさっぱりでしたし(69分にチャビと交代)、バルサで2度目の出場がこれだったテル・ステーゲンも試合勘がありませんという見本のようで。誰が戦犯というよりはチーム全体としての出来が悪く(通したパスも500本ほど)、欧州の強豪相手にそれでは、この結果も納得です。前日に「成功も失敗もチーム全体がかみ合うかどうか」だと語っていたルイス・エンリケですが、悪い方向でそれが示された試合でした。
クラックたちの決定力
一方で良かったのはレオ・メッシとネイマールのゴールです。1-1のゴールは彼ら2人にイニエスタも絡んでのパスをワンタッチでつないだもので、これぞバルサ流という得点。ネイの2点目も、ここぞのコースへの冷静なるシュートでさすがでした。試合を通じてデランテロ陣が光り輝いていたわけではないですが、どちらのゴールもクラックってのはやっぱり違うね、と感嘆するもので、ルイス・スアレスが加わることで破壊力はより大きくなりそうだと期待が持てます。
なんにせよ快進撃を続けてきたチームもまだまだ発展途上にあるわけでして、時には躓いたり嘆いたりしながら、前進していけばOK。ウルグアイ人デランテロがプレーできるカンプノウでの対決では、きっちりお返しをしようじゃないですか。まずは守備システムの再構築を是非!
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