いよいよやってきた、グアルディオラ監督のラストゲーム。
ついにきました、5月25日。アスレチック・クラブとのコパファイナル。言わずと知れた、ペップ・グアルディオラがこのバルサを率いてのラストゲームです。思えばペップチームが獲得した初めてのタイトルが、このアスレチックと争ったコパでした。そして最後に争うのも彼らとのコパ。そしてビルバオを率いるのはペップが慕うビエルサであることにも奇妙な因縁を感じますし、ついでに言うなら、この試合を裁くボルバラン主審は、ペップチームのリーガ初試合(対ヌマンシア、1-0負け)を担当したお人でもあります。なにはともあれ、願うのはハッピーエンド!笑顔での別れとなりますよう!
◇グアルディオラ 「選手たちには全てを出し切ってほしい」
ペップが前日会見でも言っていますように、このアスレチック・クラブとの試合はグアルディオラがこの選手たちを率いる本当のラストゲームではありません。27日にはモンジュイックのパラウ・サン・ジョルディにおいて、TV3が主催する慈善キャンペーンのメインイベント、”(ペップ)バルサ対(ティト)バルサ!フットサル対決”があるからです。しかし公式戦としてのラストは間違いなく今日。ペップの言うところの、「今年最後の努力」です。
カンプノウでの最後の記者会見で、グアルディオラがチームへと求めたのはいつもと同じ全力プレーでした。「これが今年最後の骨の折りどころや。選手たちには、全てを出し切ってほしい。そして勇敢に可能なかぎり攻撃を仕掛け、相手が何をやろうとしているのかをよく読み取ってほしいと思う。チームには自分たちのプレーを期待しているよ。どのようなことが起ころうとも、彼らには必要とされることをやり切ったという感覚をもって試合を終えてほしいんや」
「私たちが今回プレーするのは、もう長年タイトルから遠ざかっているライバル。彼らは私たちに多くを求めてくるやろう。私はアトレチコ・マドリーとのヨーロッパリーグ決勝を2回半見たし、アスレチックは3点目を入れられるまで、諦める兆候を一切示さなかった。チャンスの数は彼らがアトレチコを上回っていたんや。彼らは最後まで戦いを止めることはない。私はそう確信している」
「アスレチックがタイトルから遠ざかっている点は、今回の彼らにとってアドバンテージになるやろう。それは私たちにはない点であるし、こちらは別のアドバンテージを探さなければならない。もし私の選手たちが、もう4、5年タイトルを獲っていなかったらどういう状態やと思う?その意味で彼らにはアドバンテージがあり、私たちにはない。私たちは別のポイントで彼らに勝利しなければならない」
タイトルへの飢えという点では、バルサもリーガとチャンピオンズをあと一歩のところで逃しています。そしてペップにとっては、ミュンヘン決勝へ行けなかったことは、心のトゲとなって残っているようです。「ミュンヘンまでたどり着きたかった。私たちはいい準決勝をしたからね。けれどもチェルシーを祝福するよ。彼らは優勝に相応しいチームやった」
ちなみに決戦の舞台となるビセンテ・カルデロンは、このわずか数日前にCOLD PLAYがコンサートを開催してまして、芝生を張り替えたりしているそうです(一部か全面かは不明)。言うまでもなく、そういうイベントをやった後のピッチはコンディションが悪い。グアルディオラも、その点は気にしています。「コンディションがどうかやね。グラウンドは最近張り替えられている。おそらく、万全というようにはいかんやろう。両チームにとって問題になると思う」
そして今週は、マドリー州知事エスペランサ・アギーレさんが着火したスペイン国歌への口笛問題がメディアや巷の大きな話題となりました。これに関してグアルディオラは、いつものように鋭いレシーブを返しています。「私は国歌に口笛を吹くことに賛成ではないよ。けれどもマドリー州知事殿がこの試合を見に来ないのは残念でならない。彼女が来ることで、試合に名誉を与えられたのにね」
◇「ティトは上手くやってのける」
またグアルディオラはこのコパファイナル前日会見にて、試合とは直接関係のない件についても言及しています。報道陣の前に登場し、質問に答えるのはリーガ最終節以来のことなので、メディアも聞きたいことが溜まっているというところです。その主なテーマは、自身の後継者となるティト・ビラノバに関することでした。
「今日を含めて、私はこの4年間で546回の記者会見に出席し、242時間に渡って話をしてきたよ。それは11日間話し続けていたのと同じ時間になる。そこで私はいつも、自分の信じることを口に出すように努めてきた。信用できる人間であることが、この間の私のただひとつの目的やったんや … 私は11月、スビサレッタと昼食をとった。その時に私は彼から、後任にティトはどうだろうかと提案を受けたよ。そして私は彼に、とてもええアイディアやと言った」
そこから、一旦話は水面深く潜っていたようです。当のティトが自分の運命に気付かされたのは、あの発表の数日前のことでした。「チェルシー戦でチャンピオンズから敗退した後、私はティトを仕事部屋に呼んだ。その時が訪れたと思ったからね。そして彼に対し、クラブはきみに私の後任になるようオファーしてくるやろうと言ったんや。そして自分がええと思うようにするよればいいと言ったよ。5年間ずっと一緒にいて、私が監督となる大きな手助けをしてくれた人に、それ以上のことは言えなかった」
「それにもうひとつ、重要なことがあった。それは人生はすでに彼に試験を行っていて(耳下腺の手術)、彼はそれを乗り越えていた。化学療法を受けた後に、私たちを助けるためにここへ来てくれたんや。彼にそんなことを言う私は、いったい誰なんやろうね?これは彼の決断なんや。私はいつも彼の側にいるよ」
そして。「ティトは彼自身の遺産を引き継ぐことになる。何故ならこのチームは、彼自身の遺産でもあるからね。人はそれぞれに異なるから、彼はまた私とは違ったメッセージを与えてくれるやろう。ティトは上手くやってのける。半年もすれば、私のことは必要なくなってるよ。私はこれからチームを離れていく。ティトと私は13歳の頃からの知り合いやし、立ち止まるべきやと感じているのは、この私なんや。ティト問題に関してはこれでハッキリしたと期待したい。そしてもしそうでないなら、彼が持ち前の賢明さによってハッキリさせていってくれると私は信じている」
また現地では少し前、EL MUNDO紙(MUNDO DEPORTIVOではない)が掲載したサルバドール・ソストレスなるコラムニストの書いた記事に対し、その内容は大ウソであるとしてクラブが声明を発するという出来事もありました。この件に関しては、グアルディオラはこうコメントをしています。「記事が出た後、私はサルバドールと話をしたよ。その記事にニュアンスの違いがあることを、彼は知っている。私はあの日、会長と話をして、自分が一歩引きたいと考えていることを伝えたんや。会長に正しくない方法で接することは、このカサと私の両親から受けた教育が許さない。ふたりの会長(ラポルタとロセイ)は私に、正しいやり方で私に仕事を任せてくれた。私は彼らにいつまでも感謝し続けることやろう」
「記事がウソっぱちと言ってるわけやないよ。ただ幾つかの言葉のニュアンスが、正しくはなかったということや。その場にいたのはロセイ会長と私だけやったし、そこで何があったかを知っているのは私たちふたりだけやからね」
◇笑顔でサヨナラを
久々の、そしてペップ節のとっても発揮された会見でありました。しかしなんでれ、クレとしましてもチームに望むものは、ミスターが言うように”自分たちのフットボルをやって、完全燃焼した!”という感覚とともに選手たちがこのコパファイナル終了のホイッスルを聞いてくれることです。もちろん応援するチームが勝つことを信じていますし、アスレチックに28年ぶりとなるタイトル獲得を、なんて考えてはいないのですが、まずはやり切ったなぁという充実感があればいいなと思うわけです。
あとは4年間の集大成となるこのゲームで、グアルディオラがどのようなメンバーを送り込んでくるのかにも注目です。2週間のブランクによって、リフレッシュしているバルサ。現状での最強メンバーが元気いっぱいにピッチに立つとして、あとはミスターがピースをどう組あわせてくるのか。信頼の厚いケイタがどういった形で使われることになるのか。
ダニ、プジョル、アビダル、ビジャといったスタメン級選手が複数使えないのは残念至極とはいえ、そこは”ファイナル男”であるレオ・メッシが結局のところなんとかしてくれると、気楽に信じております。ここぞのペドロ弾、あるいは今年はまだ炸裂していないイニエスタッソもステキ。まさかのマスチェラーノ・ボンバーなんてのが見れたら、どうかなるかもしれません^^相当タフな試合になるでしょうが、キックオフ前の妄想は自由です。
いずれにせよ、ペップバルサの最後の公式戦がタイトルマッチであり、その相手がビエルサ・アスレチックだったのはとても幸せなことです。魂の感じられる、最高のファイナルとなりますよう。そして願わくば、すばらしきハッピーエンドに期待。泣いても笑っても、ここでひとつの時代が終わる。ならば笑顔でサヨナラを!さあ行こうペップチーム!バモーーーーーース!!
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