シーズン序盤に大きな影響を与える一戦。
毎年恒例9月上旬のFIFAウィークも終わり、今週末よりクラブコンペティションが再開されます。来週からはいよいよチャンピオンズも開幕し、リーガでの戦いも徐々にギアを上げていく時期。バルサもその初戦となるアスレティック戦で白星スタートを切り、弾みをつけたいところですが、代表戦の直後は苦しい展開になるのが常なので決して楽には勝てないでしょう。バスクのライオンとの戦いが非常に重要であることは、ルイス・エンリケも十分に承知しています。ミスターはこの試合を今後の行方を左右するポイントと位置付け、是が非でも3ポイントを獲得する意気込みのようです。
危機感を持ち、準備に没頭
9月12日付のMUNDO DEPORTIVO紙によりますと、ルイス・エンリケは代表選手たちが戻り全メンバーが揃う11日(木)のトレーニングを、非常に重視していたそうです。サンジョアン・デスピにある練習場シウター・エスポルティーバに彼が到着したのは、誰よりも早い7時30分。ミスターはそこから選手たちが集合してくるまで、赤丸でチェックした超重要トレーニング日を隅々まで活用するための最後の準備を進めていきます(この日はカタルーニャ・ナショナルデー、“ラ・ディアダ”の祝日で街をあげてのフィーバーでしたが、ルーチョは恒例の献花も欠席し、試合準備に没頭)。
この土曜日にカンプノウで行われるアスレティック・クルブ・デ・ビルバオとのリーガ第3節を、ルーチョはシーズンに数度ある、分岐点になりえる試合だと位置付けています。ちょっと大げさに言えば、この結果次第で残りシーズンも決まってしまうような試合。シーズンの序盤だから十分に取り返しがきく、とは考えていません。
その理由は、選手たちが代表チームとの遠征と試合によって消耗していて、トレーニングも不足していて、フォームも低下していて輝きも失っていると考えているから。MD紙の表現では、“プレシーズンで構築してきたものが全てFIFAのパロンによって崩された”と彼が分析しているからです。さらに相手はバルベルデ監督率いるアスレティック。16時キックオフの試合は勝率も良くない(3勝2分1敗)。ルーチョの危機感ももっともです。
加えて、今節はマドリーダービーがあり、バルサが首位を固めるためにも勝利が肝心。現在首位を走るバルセロナはアスレティックに勝つことで、マドリーの2チームの少なくともどちらかとの勝点差を拡大できます。シメオネ組がダービーを制すれば、第3節にして白組に6ポイント差を付けることになり、10月末のベルナベウクラシコに有利な条件で乗り込める下地ができたりと、何かにつけ必勝の試合であります。
強力なアスレティックのハイプレス
そして12日(土)、ルイス・エンリケ・マルティネスによるアスレティック戦の前日会見。監督は明日の試合を、「極めて重大」であるとの見解を示しました。まずはビルバオクラブについて、ルーチョは賛辞を惜しむことなくこう称えました。「アスレティックは見本となるクラブだ。彼らはカンテラ政策に基づいているし、プレーにアイディアを持っている。この2つを兼ね備えていることは、とても大きな価値があるよ。彼らはリーガで有数のプレッシングをするチームなので、私たちも大いに苦しめられることだろう」
ただ、エルネスト・バルベルデ監督がバルサ用になにか準備してくる可能性はあります。「基本的には半ば引くことで私たちを待ち受け、プレッシャーをかけてくると思うけれど、明日はやり方を変え、より引いてくるかもしれない。なんであれ、私たちはそれに慣れているけれどね」「警戒しているのはセットプレーだ。アスレティックには良いキッカーとシューターがいるからね。私たちはよく分析をしたので、出来るかぎり長く相手陣内でプレーをし、彼らがセットプレーの機会を手にしないようにしたい。相手ではなく自分たちの長所が見られるように試みていくよ」
ベストと考える布陣で臨む
FIFAウィーク明けゆえに、先発イレブン選びもいつも以上の難しさがあります。「全ての事柄を評価していくよ。移動距離の長短や、戻ってきてからのトレーニング状況、あらゆるフィーリングなどね。選手の顔つきや姿勢、振る舞いもそうだよ。今週は異例な1週間だったので、招集リストを作成し、11人を選ぶにあたっては、最も競争力のある11人となるよう全てを考慮に入れていく」
注目のポルテーロ選びに関しては、「テル・ステーゲンとブラボのどちらを起用するのかはすでに決めているけれど、私がそれを一番に教えるのは彼らだ」とのみ語ったミスター。その他の選手たちについても、彼はあまり具体的には話そうとはしてはいません。選手個々の質問には基本的に、全員を戦力としているので出番は必ず訪れる、と述べる感じです。
合流からわずか1日のネイマールについては、「プレーできる状態にある。実際、ほぼ全ての選手がそうなんだ。(調整中の)彼らは明日、出場許可を受けるだろうからね。ネイマールは特別な選手だよ。母国でもクラブでも彼はものすごいプレッシャー下にある。ハードワークによって世界最高の選手の1人となっていけると期待してるよ」とコメント。
気になるチャビ・エルナンデスに関しては、「私は彼をとても信頼しているんだ。シーズン最初の怪我も乗り越えて、非常に良い状態にあると思う。彼はすでにチームを助けてくれたし、これからも助け続けてくれるだろう」とのことです。
で、最後にマドリーダービーについて。「たぶん、観戦するだろう。どちらか片方の方が相手より強いとは見ていないんだ。私としては両方に負けてほしいけれど、それは不可能だからね^^。良いチームのほうが勝つよ。ただ私はアスレティック戦に集中したい。勝点3を加えるために私にどうにかできるのはこの試合だし、その難しさも私は知っている。だからこの試合は私にとっては極めて重要なんだ」
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