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大きく転換したフレンキーの状況:換金要員から準・不売選手に

換金要員だった夏から、重要な選手へと変化した冬
ブスケツ退団が濃厚となり、後釜候補としても重要性を増す

2022年のバルサ周りのニュースにおいて、最も名前をよく見た選手のひとりがフレンキー・デジョン(デヨング)でした。特に夏マーケット期間は連日さまざまな憶測が飛び交い、その多さにうんざりするほど。華のある選手ゆえ、冬を迎える今もニュースになり続けてはいます。しかし内容は変化し、ブスケツ退団が濃厚となった今は、バルサにとって重要な選手の位置付けに。クラブの“戦略”が変わったそうです。

放出キャンペーン

FCバルセロナがスカッド強化に奔走した2022年夏、運営陣をざわつかせるオファーがマンチェスター方面から届きました。新監督にテンハグを迎えたユナイテッドが、フレンキー獲得のために本気になった。“赤い悪魔たち”は巨額オファーをバルセロナに送りました。

高給フレンキーが高値で売れれば、ベルナルド・シルバ獲得のための資金が調達できるうえ、運営を圧迫するスポーツ経費を大きく削ることができる。こうして売りたいモードがスイッチONされました。

外部から見ていて気分が悪かったのは、メディアを用いた放出キャンペーンです。

スポーツ経費を巡る問題の大半がフレンキー売却で解決するというような報道攻勢。視線をそこに集中させることで、別のことから逸らすような。大抵の選手であれば、あれだけやられれば嫌になって新天地での挑戦を選びますよ。
しかしながらカンプノウで成功するというフレンキーの意志は揺らぐことなく、数々の圧力と誘いを弾き返してのバルセロナ残留となった。ラオウも一目置くであろう意志の強さです。

プレシーズンは出場機会が限られ、出場してもセントラルでの起用が多かったフレンキーでしたが、状況が落ち着いた9月以降はほぼほぼ中盤での先発出場が続いています。
担当するのは主にインテリオールながら、セルヒオ・ブスケツを休ませたいときなどはピボーテも任される。プレー時間は減るどころかフル出場の鉄板メンバーで、シーズン後半戦もチャビにとって重要な選手となっていくでしょう。

ブスケツの後任問題

フレンキーを巡ってのバルサの考えは、ぐるりと変化しました。最近の各インタビューでは、幹部たちが彼を売却する計画はないと明言し、チームにとって必要な存在だと強調されている。
24日のSPORT曰く、今のバルサにとっての“移籍不可選手”はぺドリガビアンスアラウホレバンドフスキ、そしてクンデの6人だそうです。でも今はフレンキーもそれに次ぐくらいの立場に見える。ラポルタは先日、「フレンキーを売りたかったことは一度もない」なんて説明しています。苦笑。

その背後にあるのはセルヒオ・ブスケツの後釜問題です。
チャビの強い要望もあり、できれば1シーズン、それがダメならせめてMLSが開幕するまでの半年間の契約延長をセルヒオに求めているらしいバルセロナですが、カピタンがそれを受け入れる可能性は低そう。かといって代役となる選手を見つけ出すのはフットボル面でも財政面でも難しく、メディオセントロをこなせるフレンキーの重要性が上昇するのです。

少し前の23日、カタルーニャラヂオの番組 Tot gira に出演したぺドリ・ゴンサレスは、ブスケツの後任選手についての質問に対してこんなふうにコメントをしました。

「僕には分からないよ。僕が決めることじゃないからね。ミステル(チャビ)が考えていて、残るのかどうかを彼(ブスケツ)と話し合っていくだろう。僕としては残ってほしいけれどね」「フレンキー?彼はものすごい資質を備えた選手で、オランダ代表ではそのポジションでプレーしている。内容もすばらしいし、後任になれるだろうね」

彼はしょっちゅう持ち場を離れてどこかに行ってしまうから僕がカバーのために下がることになって大変だよ、なんて言うはずもないのですが(^^;)、ぺドリの“お墨付き”は価値があります。

減給は求めないという

フレンキーの立場が強化されると、相対的に弱くなるのはクラブの立場です。
代えの利かない選手に出ていかれてしまうと困る。夏の自分たちがフレンキーにひどく陰湿な振る舞い方をしたことは自覚している。そして彼はまだ立腹しているようだ(11月下旬、フレンキーは理事会が契約をリークしたと批判)。なにか詫びを入れたほうが良さそうですよね。

そんなこんなでです、嘘か事実かは分かりませんが、SPORTによればクラブはもうフレンキーに減給の要請はしないのだという。

2020年のバルトメウ理事会時代に結ばれた高給契約を、8月時点のラポルタたちは「不正」なものだと見なしていました。なのでフレンキーが移籍を拒むのであれば、減給は必須だとの圧力をかけた。
しかしそれから季節は巡り、状況はいろいろと変化しました。かつては疑惑だと言ったあの契約は、合法だったとの見解で落ち着いた模様。ふぅむ。

言わずもがな、この変化を作り出したのはフレンキー自身のピッチ上でのパフォーマンスです。チャビの信頼が起用法や数字に表れ、その価値を示しているからこそ、準・移籍不可選手のシールが貼られるに至った。うんざりするような経験をしつつも腐ることなくフットボルに専念し、成果を残したフレンキーを称えることにしましょう。
給料がバカ高いことには変わりはないので、内容がダメなら批判の対象となる。逆に圧巻の働きをすれば、高くて当然と評価される。それを受けて立つことへの気概。バルサのピボーテとしてどうかは要修正にも見えますが、カンプノウで成功する彼の夢が叶うことは応援したいです。

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