・バルセロニスタ待望の、チャビタイプのセントロカンピスタ ・ロベルト・フェルナンデスが強く推し、獲得に至った
先日のトッテナム戦にて輝きを放ったアルトゥール・メロ(22)が、バルサをバルサらしくプレーさせる存在として一躍脚光を浴びています。
アルトゥールは難しくプレーしようとはせず、状況をすばやく判断して最適なチームメイトにシンプルにボールを渡す。相手選手がボールを奪おうと足を伸ばしてくれば、それを隠してくるりとターンでかわす。
立ち姿を含めてチャビ・エルナンデスによく似ていることと、エルネスト・バルベルデが探していたバランスをチームにもたらし、バルサがバルサらしさを取り戻す可能性を示したことで、アルトゥールはバルセロニスタの希望となりました。
もし次の試合でアルトゥールが先発を外れたら、クレ界隈は落胆を表すでしょう。
たった1試合のパフォーマンスでその評価を勝ち取ったのは見事。
しかしここに至るまでの道のりは平坦ではなく、ブラジレーニョの獲得にあたってはロベルト・フェルナンデスの功績が大きかったことを今一度確認しておくこととしましょう。
前・強化技術部長のイチオシ
ロベルト・フェルナンデスって誰だっけ?という方もいるかもしれません。
ロベルト・フェルナンデスは昨シーズンまでFCバルセロナのセクレタリオ・テクニコ(強化技術部長。今季からはエリック・アビダル)を務めていて、アルトゥール獲得を強く推した人物です。
2015年夏にチャビ・エルナンデスが退団して以降、バルサはチャビタイプのセントロカンピスタを探し続けてきました。
特にこだわったのはマルコ・ベラッティでしたが、PSG相手に挫折。
その代役として急浮上しつつも、入団目前で突然破談になったセリはお気の毒の一言でしたし、その後もエリクセン、アンデル・エレイラ、それにゴレツカなんて見当違いの選手もウワサになったのを思い出します。
しかしロベルト・フェルナンデスは、ベラッティ破談後に見惚れたアルトゥールにこだわった。
アルトゥールにこそバルサの未来があると確信した。きっと。
その情熱にペップ・セグラ(スポーツマネージャー)も判子を押したわけです。あっちに判子ないけど。
アンドニ・スビサレッタはマルクアンドレ・テル・ステーゲンを置き土産とし、ロベルト・フェルナンデスはアルトゥール・メロを残した・・・ そう言われる日が近々来るでしょう、きっと。
起用に慎重だったバルベルデ
まだクラブ間交渉前にもかかわらず、ロベルト・フェルナンデスとアルトゥールがバルサシャツを持ってポーズを取っている写真が流出するなど、バルセロナ入団へと至るまでにもいろいろとありました。
その写真を撮ることになった食事会はグレミオも許可を出していたそうですが、写真流出にはさすがに立腹。
バルサ内部でもロベルトの失態に眉をひそめたようです。
移籍時期を、当初のグレミオとの合意2019年1月から2018年夏に前倒してバルサにやって来たアルトゥール。
10月5日のMDによれば、エルネスト・バルベルデは実力の知れないアルトゥール獲得に乗り気ではなかったそうで、クラブ主導の補強選手の起用には消極的、あるいは慎重なミスターから出場機会を得るのは簡単ではありません(たとえばマルコム。彼については後日、また書こうと思ってます)。
プレシーズン1週間で「コーチ陣とチームメイトが認めた」との記事が出たのが7月20日、メッシがラジオ番組でアルトゥールを絶賛したのが9月3日でしたから。
そんななかでチームがジローナ、レガネス、アスレティックと3試合続けて勝ち逃したのはアルトゥールにとっては追い風でした。石橋を叩くバルベルデがついに、トッテナム戦で彼を先発起用すると決断したからです。
ウェンブリーで強い印象を残したことで、アルトゥールはしばしのファンの支持を手に入れました。
緊張もしたであろう、その機会を逃さず、しっかりモノにしたのはあっぱれ。
あとは1試合ずつ着実に結果を出していけば、バルベルデにとってアルトゥールを起用することこそが最適解となります。クレ世論も後押しするでしょう。
そしてもしアルトゥールがバルサスタイルの最適解となれば、ロベルト・フェルナンデスに今一度感謝をせねばならない。その日を楽しみにしています。
このニュースのまとめ
- ・トッテナム戦でクレのお気に入りとなったアルトゥール
- ・獲得を決めたのは、前の強化技術部長ロベルト・フェルナンデス
- ・バルベルデは起用に慎重だったが、いまや最適解の可能性
- ・ロベルト・フェルナンデスに感謝する
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