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ラキティッチ「誇らしく、幸せ。心にバルサを連れて行くよ」

6シーズンのバルサ生活を終え、クラブとファンに感謝を伝えたイバン
お別れ会によって送り出され、古巣セビージャへと旅立った

イバン・ラキティッチがFCバルセロナに別れを告げました。外国人選手として歴代4番目となる310試合に出場し、13のタイトル獲得に貢献した6年間。ベルリンでのチャンピオンズ決勝では先制弾も決めました。入団会見で歴史を作りたいと言った彼は、それを実現し、胸を張りカンプノウを去る。これぞプロという選手でした。「世界最高のクラブで6年間プレーできたことに感謝し、誇らしく思う」

感謝を繰り返したさよなら会見

2020年9月2日の現地午前11時すぎ、この日の主役たるイバン・ラキティッチジュゼップ・マリア・バルトメウ会長とともにカンプノウ内の会見場へと姿を見せました。
おそらく会長の頭の中は、その後に行われるホルヘ・メッシとの面談が渦巻いていただろうと想像しますが、功労者であるラキティッチに対してさよなら会見を用意したことは評価しましょう。あなたのことが大好きです、みたいな笑みで記念撮影できるところがバルト会長の強みです。おっといけない、つい嫌味がほとばしってしまう。

この会見でラキティッチは何度も「感謝」の言葉を繰り返しています。会長に対してはもちろん、チームメイト、スタッフ、ファンへの感謝。以下にこの会見でのラキティッチコメントの幾つかを挙げます。概ね、質問の順番どおりです。

素敵な瞬間が数多くあった6年間

バルサへの別れと感謝

「多くのタイトルを勝ち取れたことは、唯一無二の経験でした。それらを可能にした全ての人たちに感謝をしたいです。会長、スビサレッタ、ラウール・サンジェイ、そして全ての監督たち、チームスタッフ、トレーナー、全ての理事に感謝をしています。僕はいつも暖かさを感じていました。心に残っているのは、今朝チームにさよならを言いに行ったときのことです。食堂の料理人のマルタたちにさよならを言うと、彼らが涙を浮かべていた。それは僕にとってすごく多くのことを意味していたのです。この6年間、クレの皆さんが僕と一緒に楽しみ、戦えていたなら良いなと思います」

ウンスエへの感謝
「いつも観客席にいてくれるファンの皆さんにもありがとうと言いたいです。それにこの場を利用して、ファン・カルロス・ウンスエにもさよならを言いたい。彼はロッカールームにおいてとても重要な人でした。彼が僕にしてくれた扱いに感謝します。彼は特別な人でした」

記憶に残る瞬間
「一つを選ぶのは難しいです。バルサは僕が一番長く在籍したチームですし、この6年間にはすごく素敵な瞬間がいくつもありました。ひとつ取っておく必要があるなら、それはベルリンの決勝ですが、日本で手にしたクラブワールドカップもそうですね。でもスーペルコパや、僕らが優勝したそれぞれのリーガも特別なんです。最初のタイトルも覚えています、国王杯です。僕らが達成できたことの全て、そして自分が何者であるかを伝えられたことをとても嬉しく、誇らしく思います」

バイエルン戦の2-8
「最後の試合を思い出にしたくはありません。一番にあれを好まなかったのは僕らですから。でも僕らがもう一つの(勝者)側にいたことも数多くあった。今は反省し、多くのことを分析する時ですが、他チームを称えるべき時でもあります。最後の試合に自分が居れなかったのは残念です。どんな時でも試合に出たいですからね。でも素敵で特別な瞬間は数多くありましたから、それらを胸に残していきます」

メッシの将来
「各選手はそれぞれの分析をしますし、僕はこれが自分の機会だと思っていました。メッシや他の選手がこれからどうするのかを僕は知りません。あなたたちは彼らに訊ねる必要があるでしょう。各人が分析をして、全員にとってベストなことをすると確信しています」

バルサはこの状況をひっくり返せる

バルサの現状
「ここ数シーズンの僕らは、2015年(三冠)の再現へと近づきました。そこでフットボールは決まり事がないことを示し、説明の付かないことが僕らには起こった。小さなディティールで決まることが時々あるのです。バルサがこの状況をひっくり返すと僕は確信していますし、バルサの幸運を願っています。再びバルサが多くのタイトルを手にすると信じています」

「バルサが参照されるチームでなくなったとは思いません。代表のチームメイトから伝わってくるのは、バルサはバルサだということです。バルサは世界で最も偉大なクラブであり、それは変わらないでしょう。全ての選手にとってバルサ入団は夢ですし、ここに何年もいることの難しさは理解されています。毎年たくさんのタイトルを得るのは簡単ではありません。バルサはフットボール界の敬意を手に入れた。これからもそう続いていくでしょう」

過去2年とオファーについて
「過去2年が悪かったとは思いません。僕にとっては、去年がベストイヤーでした。リバポーの件はありましたが、より楽しめましたし、より責任の重みを感じました。僕のベストシーズンです。それからあの試合があって、僕らは痛んだ。オファーに関しては、僕らはいつも話していました。理事会は僕のことを分かっていますし、僕らはいつも率直でした。重要なのはそれぞれにとって良いゴールにたどり着くことだったのです。その瞬間が今訪れた。バルサ以上の場所はありません」

心残りはあるか
「いいえ。とんでもないです。僕はフットボールがどのように機能するのかを理解しています。僕が“ジャガイモ袋”の件で言いたかったのは、自分がオープンな人間だということです。自分が受けた待遇にとても感謝をしていますし、汚点の余地はいっさいない。自分が連れて行く幸せがあまりにも強いからです」

謙虚で普通の人間とのイメージを残したい

どのような選手と記憶されたいか
「一番重要なのは、クレの心の中にラキティッチがとても謙虚で普通の人間だというイメージが残ることです。そして努力や、バルサやチームメイトたちへの献身が伝わっていること。自分にとっては、起床してからコーヒーを飲み、シウタット・エスポルティーバにトレーニングへ行くことに勝る朝はありませんでした」

リーガの終わり方について
「ロックダウンが明けてからの試合はどれも非常にハードでした。空っぽのスタジアムで、ファンのサポートなくプレーするのは簡単ではなかったですし、試合はどれもぎりぎりでした。ビーゴで引き分けたのは不運でしたが、それからいくつか引き分けたことで、僕らはリーガ優勝を逃した。マドリーにも4つか5つの試合をPKや1-0で勝つ運がありました」

バルサ戦でのゴール
「バルサに対する僕の敬意は最大なので、もちろんゴールを祝うことはないでしょう。ここでの出来事はチェックしていきますし、もしゴールの瞬間が訪れても、僕に祝うことは出来ません。僕の心の中にバルサを連れていますから」

チャビ師匠と親友イニエスタ

監督やチームメイトたち
「三人のミステル(監督)全員に感謝をしています。僕の入団を可能にしたルイス・エンリケエルネストキケとも僕は楽しみましたし、彼らが見せてくれた全ての配慮にとても感謝です。チームメイトたちは最高でした。一人、もしくは二人を挙げるなら、アンドレスチャビにしたいです。彼らとの日々はそれはすばらしいものでした。チャビとの一年は僕にとってすごく重要で、その後は親友の一人であるアンドレスと過ごせました。彼は僕にフットボールを与えてくれた人です」

退団の決断
「監督のメッセージというよりは、自分の瞬間だと感じる方が強いです。その時が訪れ、セビージャへと向けて歩み出すことへの大きな希望があった。監督とのコミュニケーションには感謝しています」

後悔していることはあるか
「どんなことも、より良く行えることは知っています。重要なのは、自分が常にベストを出そうと試みたこと。そこからは意見の相違はありますが、僕は常に自分のベストを出したかったのです。もし僕がダメなことをしたと考える人がいるなら、それは残念に思います。僕が意図するのはいつだってポジティブなことだったからです。敬意を欠いたことは一度もなかった。このクラブに感謝をしています」

再び、メッシの将来について
選手にとっての第一の、そして最良の選択肢はいつだってバルサです。それから各選手がそれぞれの決断を下す必要がありますが、僕は自分のことを話したい。他の選手のことは分かりませんが、自分としては最初の選択肢はいつもバルサでした」

バルサを去るにあたっての感情
これはひとつの時代の終わりではありません。僕はバルセロナでの日々すべてがとても誇らしい。世界最高のクラブで310試合に出場し、13のタイトルを獲得したのです。一つの時代が終わったと言うのは好きではありません。退団の瞬間が僕にも訪れた、それだけです。僕は今、とても誇らしくですし、幸せを感じています。そしてバルサファンやソシオたち全員に感謝をしています

三度、メッシについて(しつこい 苦笑)
「全ての選手の決断を尊重しますし、決断はそれぞれが取るべきものだとすでに言ってます。僕は何よりもバルサを尊重しますし、バルサは僕の人生でありコラソン(心)の一部です。自分は今が一歩踏み出す瞬間だったと思ってる。あとは各選手が、自分にとって最良と考えることをすべきです」

試合出場率、ほぼ9割

イバン・ラキティッチのさよなら会見なのに、何回メッシについて質問してんねんとは思いますが、裏門からではなく表門から歴史を刻んだ功労者を送り出せたのは安心しました。

外国人選手としてはメッシダニ・アルベスハビエル・マスチェラーノに次ぐ試合出場数(310)を記録し、伝説の一人となったクロアチア人セントロカンピスタ。インテリオールだけでなくピボーテもこなせ、4-3-3でも4-4-2でも対応できるフットボールIQと、怪我することなくトップフォームを維持し続けられるプロだからこそ残せた数字です。出場率88%ですからね・・・ 驚異的すぎる。

人柄も尊敬できるものがあり、真実を真っ直ぐに見つめるような曇りなき眼が印象的だった。バルサのことを「心の中に連れて行く」と言ってくれる彼の、セビージャでの活躍も楽しみにしたいです。
フル稼働の6年間に、改めてありがとう!幸運を!

 

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